『パイレーツ・オブ・カリビアン』最新作が初登場首位、3日で15億円超!被災地、宮城県の4つの劇場にも3日間で1万人以上来場
映画週末興行成績
今週の興行ランキングは、5月20日の金曜日に公開された大人気シリーズ最新作『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』が初登場で首位を獲得。全国800スクリーンで公開され、初日から3日間で動員98万6,455人、興収15億1,843万3,400円、土日2日間の成績は動員77万3,184人、興収12億902万4,500円というロケットスタート。これまでの2011年公開作品の中でナンバー1のオープニングを記録した。学生から会社員、ファミリー層、カップルなど幅広い客層を動員。全国の3D上映の占有率は82パーセント、字幕と吹替えの比率は56対44となった。
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』写真ギャラリー
昨年の年間興収ベストテンにランクインした3D作品のうち、映画『トイ・ストーリー3』(最終興収108億円)『THE LAST MESSAGE 海猿』(最終興収80億4,000万円)、『バイオハザード IV アフターライフ』(最終興収47億円)といったシリーズものの作品は、それぞれがシリーズ歴代最高の興収を記録するなど、強さが際立っていた。3D映画は通常に比べ鑑賞料金が割高であるために、観ても失敗が少ないと思われる定番作品を選ぶ観客が多いのかもしれない。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズは、1作目から順に、68億円、100億2,000万円、109億円と興行成績が推移していて、公開されるたびに右肩上がりとなっているだけに、今回もシリーズ最高興収の更新が期待されている。
また、くしくも本作の公開日となった20日には、茨城県のTOHOシネマズひたちなかや、宮城県のMOVIX利府など、東日本大震災の影響で休業を余儀なくされていた映画館のいくつかが営業を再開している。この日付に決定したということは、もちろん営業再開の目途がたったというハード的な側面もあるだろうが、同時に『パイレーツ~』の勢いを借りて、いい形で営業を再開したいという思惑もあるだろう。実際、宮城県の4つの劇場には、3日間で1万人以上の観客が『パイレーツ~』を観るために来場したとのこと。人々を元気にするエンターテインメントの役割はこれからだ。
2位は、先週の首位からワンランクダウンとなった『ブラック・スワン』で累計動員79万4,482人、累計興収9億7,249万800円と好調さをキープ。『岳 -ガク-』はワンランクダウンで3位。累計動員が85万1,213人、累計興収が10億2,739万6,670円となった。公開6週目の『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』は4位で同順位をキープ。累計動員は248万7,212人、累計興収は29億3,621万5,700円となった。『GANTZ:PERFECT ANSWER』は5位で、2ランクダウン。動員203万1,713人、興収25億1,659万6,300円。『八日目の蝉』は6位でワンランクダウン。累計動員が81万3,961人、累計興収9億6,253万7,100円。
公開5週目の『阪急電車 片道15分の奇跡』は7位でワンランクダウン。累計動員が66万2,098人、累計興収が8億1,956万2,700円となった。公開6週目の『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦』は8位でワンランクダウンだが、累計動員100万4,281人、累計興収11億3,212万6,000円。オスカー作品『英国王のスピーチ』は、公開13週目を迎え、いまだベストテン圏内の9位をキープしている。そして先週11位デビューを果たした『はやぶさ HAYABUSA BACK TO THE EARTH』は、ワンランクアップでベストテン入り。全国66スクリーンの上映で、鑑賞料金が一律500円という小規模な興行形態ながら、累計動員が4万9,709人、累計興収が2,487万8,500円という成績をあげている。そして公開3週目の『アンノウン』はワンランクダウンで11位。惜しくもベストテン圏外に落ちてしまった。
今週末は『アジャストメント』『マイ・バック・ページ』『プリンセス トヨトミ』『ドリーム・ホーム』『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』などが公開予定となっている。(ランキングなどは興行通信社調べ)(取材・文:壬生智裕)