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アメリカのテレビコメディを変えた男、ポール・フェイグ監督を直撃!カルト的人気テレビ番組「フリークス学園」とは?

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ポール・フェイグ監督
ポール・フェイグ監督

 カルト的人気を誇るテレビドラマ「フリークス学園」のクリエイターで、同じくテレビドラマ「Weeds ~ママの秘密」でメガホンを取っていたポール・フェイグ監督が、新作『ブライズメイズ(原題) / Bridesmaids』について語った。

ジェームズ・フランコ出演映画『127時間』写真ギャラリー

 同作は、40歳で未婚のアニー(クリステン・ウィグ)は、親友リリアン(マーヤ・ルドルフ)の結婚式で付き添い人を頼まれる。アニーは、他の5人の付き添い人と合流して、結婚式に向けて準備をし始めるが、予想もできなかったトラブルが待ち受けていた。映画『ノウイング』のローズ・バーンは、アニーとリリアンの友人関係の鍵を握るヘレン役を演じている。

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 ポールが映画界やテレビ界で活躍し始めるのも、映画『40歳の童貞男』や『無ケーカクの命中男』などのヒット作でおなじみのジャド・アパトー監督との出会いが大きかったそうだ。「ジャドと僕は17歳から友達なんだ。僕らは、ほかの何人かの友達とともにクラブなどで活動していたスタンダップ・コメディアンだったんだ。ジャドと僕が仲良くなったのは、ほかの誰もが面白くないと思っていた事柄に、僕らだけが(ほかの人たちと解釈が違い)面白いと感じていたことから特別な関係が始まったんだよ」と笑いのツボが同じだったらしい。さらに「彼が徐々に(映画界で)パワフルになっていたたきに、僕は俳優をしていたが、ある日僕が監督した映画『ライフ・ソールド・セパレートリー(原題) / Life Sold Separately』を気に入ったジャドが、当時ドリームワークステレビと契約を結んでいたために、僕にもしテレビシリーズをやるようなアイデアや脚本があるなら、是非知らせてくれと言ってきたんだよ! それが、後に僕が執筆したあのテレビドラマ『フリークス学園』になったんだ」と明かした。この「フリークス学園」は1999年から2000年まで放送されていたが、この作品が後にギーク(Geek)、ナード(Nerd)と言われるイケていない男たちが主人公として頻繁に活躍することになる、ある意味火付け役的な番組としてカルト的な評価がされている。

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 さて今作では、興味深いキャラクターがたくさんいるが、その中でもアニーとリリアンの関係に割って入るローズ・バーンが演じたキャラクター、ヘレンが面白い。「観客は、このヘレンを悪役的なキャラクターとして見出そうとするかもしれないが、そうではないんだ。確かにヘレンは、人が欲しがる物を何もかも持っていて、自分が気に入っているリリアンでさえも自分のものにしたいんだ。だから、リリアンからアニーを遠ざけようとする。ただ僕は人が嫌うような、わざと悪魔のように意地悪な行為をするキャラクターは、僕には信じられないんだ。それは、もし世界で最もヒドいと思われている人物も、何らかの理由でその行為をしているからだと僕は思っているからだ」と語ったように、あえて白黒はっきりしていないキャラクターであるため、観客には共感の持てるキャラクターになっている。

 脚本について「映画内の台詞の多くは即興なんだ。もともと脚本は、主演したクリステン・ウィグと脇役で出演しているアニー・ムモロが執筆した素晴らしいものだったが、後で僕とジャドが加わって構成を正していくことになった。だから、4人がそれぞれいろいろなアイデアを試してみながら、面白いストーリーを作り上げていったんだ。ただ、多くのコメディアンが脚本を書いている際に陥る問題は、ジョークや面白い状況を作ることばかりに気を取られていて、肝心なストーリーやキャラクターの感情の表現の仕方を忘れてしまっていることが多いんだよ」としっかりとしたストーリー構成のもと製作を心がけているようだ。

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 10年以上も前に放送されていた「フリークス学園」は、ジェームズ・フランコセス・ローゲンジェイソン・シーゲルとハリウッドで今活躍している俳優を数多く輩出したが、あの番組のキャスティング・プロセスについて「あのときは、俳優のタイプなどで差別をせずに、誰でも参加できるオーディションを行ったんだ。制限なしにオーディションを行うと、あらゆるタレントが参加してきて、それぞれの才能に驚かされたよ。ジェームズ・フランコはハンサムすぎて、別にハンサムな俳優を雇う必要はないと僕は思ったが、彼はあの番組の役柄に適役だったんだ。だから、僕はキャラクターのイメージと少し違うくらいで、オーディションに参加させることを拒否することはないんだ。ただ彼らが後に成功したのは、ジャドが後に彼らを自分の映画に出演させたからと、彼ら自身に才能があったからだと思っている」と謙遜しながら答えていた。

 今現在、アメリカではジャド・アパトーが製作や監督したコメディ作品は必ず成功を収めていて、これまでテレビで成功を収めてきたポールも、今後は映画界で活躍の場を広げていくことになりそうだ。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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