運命は決まっているのか?それとも自分で修正できるものなの?賛否両論のアンケート結果
人の運命とは、あらかじめ決められたものなのか? それとも自分の強い意思やささいな行動の変化によって、大きく軌道修正できるのだろうか? 多かれ少なかれ、誰もが一度は考えてしまうそんな運命論を、極上のエンターテインメントとして観せてくれるのが、映画『アジャストメント』だ。その公開に合わせてアンケートを行ったところ、その結果は見事に二分された。(アンケート結果は5月25日時点のもの)
映画『アジャストメント』は、マット・デイモン演じる主人公デヴィッドが、「アジャストメント・ビューロー(運命調整局)」という機関から監視を受け、コーヒーをこぼすタイミングなどを微妙にずらされたりして、あらかじめ決められた運命へと導かれていくさまを描いたSFサスペンス。観客も思わず「あのとき、こうしていたら……」と自分の運命を重ね合わせてしまう作りで楽しませてくれる作品だ。
今回のアンケートでは、まず「運命は決まっていると思うか?」を調査。その結果、約60パーセントの人から「NO」という答えが出た。わずかに過半数を超えた程度であり、残りの人は「運命を信じている」と意外にも、運命論者の数も多いというのが興味深い。続いて、ちょっとだけ視点を変えて「思ったとおりに運命は変えられると思うか?」と質問すると、約53パーセントが「YES」と回答。1問目で「運命は決まっていない」と答えた人から、7ポイント減っている。つまり「運命は決まっていないけれど、自分の思ったとおりには変えられない」と感じる人がわずかにいるわけで、この結果には、先行き不透明な現在の社会情勢が影響しているのかも?
いずれにしても運命に関しては「信じる」「信じない」が半分ずつという結果で、それゆえに運命をテーマにした作品が観客を引きつけるのかもしれない。そして、信じる人にも、信じない人にも、運命に立ち向かう勇気は必要だと教えてくれるのが、この『アジャストメント』だ。デヴィッドが愛する人を守り、自分の意思を貫きながら、アジャストメント・ビューロー(運命調整局)に立ち向かっていく姿を観れば、あなたも、自分の運命を変えようとする勇気を手に入れることができるかもしれない。(文:斉藤博昭)
映画『アジャストメント』は5月27日より全国公開