阿川佐和子が『となりのトトロ』の「さんぽ」を作詞した「ぐりとぐら」作者・中川李枝子とトークショー!
30日、港区表参道のスパイラルホールでテレビ番組「ジブリの本棚」と映画『借りぐらしのアリエッティ』DVD&ブルーレイ発売を記念するトークショーが行われ、児童文学作家の中川李枝子と「ジブリの本棚」ナビゲーター阿川佐和子が児童文学の魅力について語った。
ジブリアニメ『借りぐらしのアリエッティ』の原作が、岩波少年文庫刊のイギリスの児童文学「床下の小人たち」であることから、宮崎駿監督に影響を与えたという「岩波少年文庫」の中より、子どもたちに薦めたい50冊を監督自身が推薦。その一冊一冊に書かれた宮崎監督の推薦文と共に、本への思いや宮崎作品の原点となった児童文学の魅力を語る「ジブリの本棚」。BS日テレの開局10周年特別番組として2010年8月に放送された本番組がこのたびDVD&ブルーレイで発売されることとなった。
阿川は番組のナビゲーター、そして中川は本番組に登場するということから、2人が登壇することとなった本トークショー。中川は絵本「ぐりとぐら」シリーズや「いやいやえん」などで知られると同時に映画『となりのトトロ』においてオープニング曲『さんぽ』など数曲の歌詞を作詞したことでも知られており、中川自身が執筆した絵本も販売されている。「宮崎監督がわたしの絵本『いやいやえん』が好きだということで、『となりのトトロ』の(楽曲の)詞を書いてくれということになったの。光栄でしたね」と当時を振り返る中川。もともと宮崎監督は、「いやいやえん」に衝撃を受けたことで、中川に映画化を打診。断られたことにより、その企画が発展して『崖の上のポニョ』になったということは知る人ぞ知る事実。「わたしは本で観てもらえればそれでいいの」と語る中川に、阿川が「アニメ化すれば印税もたくさん入ったでしょうに」とちゃかす一幕もあった。
また、その後のトークでは、児童文学に対する愛情を語った2人。その流れから、昨日、阿川がテレビ番組の収録で、大竹まことと、福島県の福島第一原子力発電所から30キロ圏内にある図書室に行ったという話題に。阿川は「中では本がバラバラと地面に転がっていたんですよ。そこには『ドリトル先生』も、『十五少年漂流記』もそのまま。ここに子どもたちが集まって(図書館の)需要があったんだなと思いましたね。それを見て心がグサッときましたよ」とコメント。しかし、司会者が「(本が)読めるうちに(できるだけ)読んでおいてくださいね」と語りかけると、プーッとふくれっ面に。「まるで先がないみたいに言わないでよ!」と語る阿川の姿に会場は笑いに包まれた。(取材・文:壬生智裕)
「ジブリの本棚」DVD(税込み:3,990円)、ブルーレイ(税込み:6,090円)は6月3日発売
映画『借りぐらしのアリエッティ』DVD(税込み:4,935円)、ブルーレイ(税込み:7,140円)で6月17日発売