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AKB48の先駆け!?黒澤明も通った劇場「ムーランルージュ新宿座」を追った映画の舞台あいさつに当時のトップスター91歳の明日待子登壇!!

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現在91歳とは思えない見事な着物姿、明日待子
現在91歳とは思えない見事な着物姿、明日待子

 4日、戦前から戦後にかけて人気を集めた大衆劇場「ムーランルージュ新宿座」の、生誕80周年を記念した映画『ムーランルージュの青春』の完成披露試写会がなかのZERO小ホールにて開催。会場には田中重幸監督のほか、当時劇場でトップスターだった女優の明日待子をはじめ当時を知る関係者が集い、当時の昔話に花を咲かせていた。

 同劇場は昭和6年に新宿に開館し、戦前戦後のおよそ20年間、学生や知識層の人気を集めた。故・黒澤明監督も助監督時代から通っており、同作はそんなムーランルージュ新宿座の魅力を、当時の出演者たちの証言や記録でつづった感動の記録映画となっている。

 昭和8年に同劇場で10代でデビューし、トップスターとして活躍していた明日は、現在91歳。この日は札幌から一人で飛行機で出てきたと言い、しっかりとした足取りで登壇すると「(当時)私は一生懸命で、今日死んでもいい気でやっていました。そういう切羽詰まった中でやってきた青春でした」と当時の気持ちを告白。「検閲があって、スカートはひざ下何センチとかも決まっていましたよ」と時代を感じさせるエピソードなど交え、91歳とは思えない元気な姿でファンとの再会を果たした。

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 一方、当時は同劇場のファンで、現在はムーランルージュ研究家という野末陳平は「学生や若いサラリーマンに人気でした。テレビの無い時代、いろいろと言いたい事を言ってくれて共感できる場所でした。あの頃の癒やしの場でしたね」としみじみ。田中監督もまた撮影をする中でさらにムーランルージュの舞台の魅力の深さを知ったといい、「(舞台は)全部オリジナルなんです。今オリジナルをやる人がどれだけいるんですか。今の映画を見ても結局何万部売れた原作に、何かに出ている役者。それだけを抱き合わせる。テレビのお笑いもそう」と指摘。ムーランルージュでは10日変わりで月に3本の劇を公演。そこにこそ本物のエンターテインメントがあったといい「観客の反応が直に伝わり、作品が作られる。そういうオリジナルのドラマを作るのがいかに大切か」と現代のエンターテインメント業界に釘を刺した。

 客席は当時を懐かしむファンや関係者などが詰めかけ、ロビーでは展示された当時の写真を眺めたりしながら昔話に花を咲かせていた。(取材・文:中村好伸)

映画『ムーランルージュの青春』は9月17日から公開

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