70歳の浅丘ルリ子、クマとの格闘を「自分でやりたい」と申し出!女優魂あふれるコメント連発!
6日、映画『デンデラ』完成披露試写会が丸の内TOEIにて行われ、主演の浅丘ルリ子、倍賞美津子、山本陽子、天願大介監督が登壇。この日はマイナス11度にもなる極寒の撮影現場を再現しようと会場に雪を降らせ、劇中に登場した体長2メートルのクマがキャストに襲いかかるという凝った演出も繰り広げられて会場は大いに盛り上がった。
うば捨ての風習が残る山岳部を舞台に、70歳を超え捨てられた老婆50人が、生き延びるため壮絶な戦いに身を投じる姿を描く本作。日本の映画・演劇界を支えてきた大ベテラン女優たちが、共同体“デンデラ”に暮らす老婆として過酷なアクションに挑んでいるのも話題の衝撃作だ。
50人目の新参者としてデンデラにやってくる主人公・斎藤カユを演じた浅丘は「大変でしたけど、参加できて幸せ。やって良かったとしみじみ思っています」と晴れ晴れとした表情。撮影を振り返り「クマとの格闘シーンは、自分でやりたいと言ってやりました。でも飛ぶシーンはスタッフから止められたのでやめました。すべってころんでしまうアクシデントもあったけど、スタントマンの方におんぶしてもらって温かったです(笑)」と現在70歳とは思えぬ、女優魂あふれるコメントを連発した。そして最後にこれから作品を観る観客に「最後は、『これからどうなるの? 続きはあるの?』という感じで終わります。皆さんでお考えになってください」といたずらっぽい笑顔を浮かべながら語りかけていた。
また、自分たちを捨てた村人への復讐(ふくしゅう)計画を実行しようとする長老の方針に、反論を唱える平和主義者・椎名マサリを演じた倍賞は撮影現場について「プロフェッショナルな女優さんたちがたくさんいてうれしかった」とコメント。一方、動物に対する専門知識を持ち、狩猟によって生活する術を身に付けている浅見ヒカリ役の山本は「撮影後にテントで共演者の皆さんとおしゃべりして、エネルギーをいただいていました」と語り、どちらも豪華女優陣が集結した現場を満喫したことを明かしていた。
映画『デンデラ』は佐藤友哉の同名小説を基に、天願大介監督がメガホンを取った人間ドラマ。天願監督の父親である故・今村昌平監督のカンヌ国際映画祭グランプリ受賞作で、山に捨てられる老婆と、その息子の心の葛藤を描いた『楢山節考』(1983年)の後日談的な色合いも持つ作品となっている。(古河優)
映画『デンデラ』は6月25日より全国公開