『SUPER 8』が全米ナンバーワン!強力コンビの作品にしては地味なデビュー? -6月13日版
全米ボックスオフィス考
映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』やテレビシリーズ「LOST」などでおなじみのJ・J・エイブラムス、そして製作総指揮にスティーヴン・スピルバーグという強力コンビで製作された話題の新作映画『SUPER 8/スーパーエイト』が3,545万ドル(約28億3,600万円)の収益を上げて今週の全米映画ランキングの第1位となった。(1ドル80円計算)
今週第1位の映画『SUPER8/スーパーエイト』写真ギャラリー
この作品は製作が決定した当初から、「未知なものに対する人々の関心」を増幅させるという意図で、封切りまではその内容を絶対明かさないという秘密厳守のPR作戦が敢行された。作品のあらすじにおいても、1970年代後半が舞台で、8ミリカメラで映画を撮影中だった子どもたちが列車脱線事故を目撃してしまったことからストーリーが展開する……としか発表されていなかった。
このトップ・シークレット広報作戦は映画の製作が決定した1年以上前から続けられており、当初はさておき、ワクワクするような情報もないまま1年以上待たされた映画ファンにとっては、「この期に及んで今さら……」という感がぬぐいきれなかったようだ。その結果が、ハリウッドの最強コンビが製作した作品にしてはかなり低いデビュー週末興収として如実に表われてしまった。製作・配給のパラマウントは、この作品は長期にわたってスタミナがありこれからが勝負であるとコメントしており、これからのチャート動向に注目が集まる。
今週の第2位は、先週のトップから56.2パーセント収益ダウンした映画『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』で2,413万ドル(約19億3,040万円)。この成績は、シリーズ前作にあたる映画『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』の封切り2週目における興収落下率69パーセントと、2006年の同シリーズ映画『X-MEN: ファイナル ディシジョン』の66.9パーセントと比べ上々の持続度を見せているが、公開10日目の総合収益は9,800万ドル(約78億4,000万円)となっており、シリーズ全体として見ると本作の収支はまだ最下位で、来週以降どの程度売り上げを伸ばすか?
第3位は、こちらもワンランクダウンの映画『ハングオーバー!!史上最悪の二日酔い、国境を越える』で1,767万ドル(約14億1,360万円)。公開後16日目にして2億ドル(約160億円)の大台を超え、これまで今年度興収キングに君臨していた映画『ワイルド・スピードMEGA MAX』の王座を奪い、現時点での新たな2011年の映画王となった。
先週から30.7パーセント収益ダウンで第4位にランキングしたのは、映画『カンフー・パンダ2』で1,654万ドル(約13億2,320万円)。1作目の映画『カンフー・パンダ』の公開後同時期よりも落下率が少なく、このまま長期戦に持ち込めるかもという期待がなきにしもあらずだが、封切り18日目の現時点では総合収益1億2,681万ドル(約101億4,480万円)で、類似カテゴリー作品である映画『シュレック フォーエバー』や映画『マダガスカル』の総合興収には遅れを取っている。
第5位は、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』で、1,095万ドル(約8億7,600万円)。封切り22日目にして総合収益は、2億ドル(約160億円)を突破している。
次週のチャート予想だが、現在第1位の映画『SUPER8/スーパーエイト』に奇跡が起きない限り、全米映画トップの座は新作映画『グリーン・ランタン』が持っていく可能性大である。DCコミックの人気作品を実写映画化したもので、ハリウッドでは今が旬のアメコミヒーロー作品だ。
主役のグリーン・ランタンには、マーベル・コミック作品にあたる映画『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』ではデッドプールというキャラにふんしたライアン・レイノルズが起用され、これでライアンはDCコミックとマーベル・コミックという2大アメコミ社をマタにかけた(!?)ことになり、映画『デッドプール(原題) / Deadpool』の主演も予定されている彼のスーパーヒーロー度が注目されている。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)