東日本大震災の影響で中止になっていた第25回高崎映画祭の授賞式が渋谷で開催
18日、東日本大震災の影響で中止になっていた第25回高崎映画祭の授賞式が渋谷ユーロスペースにて行われ、最優秀作品賞を受賞した映画『ヘヴンズ ストーリー』の瀬々敬久監督、長谷川朝晴、山崎ハコ、寉岡萌希が登壇。途中、感極まって瀬々監督をはじめ、登壇者が言葉に詰まるシーンも見られ感動の授賞式となった。
3月27日に開催予定だった同授賞式だったが、震災から2週間という状況を考慮して中止が決定。その後、伝統ある授賞式が途切れることを残念がる声が映画関係者から多数上がったことにより、同会場での映画『ヘヴンズ ストーリー』アンコール上映に合わせ、授賞式開催の運びとなった。最優秀作品賞を受賞した瀬々監督は「以前『RUSH!』という映画で監督賞をいただきました。そのときは(高崎映画祭を創設した)茂木さんがいました。そしてまたこんな素敵な賞をいただきましたが、今日は茂木さんがいらっしゃいません」と2008年に他界した茂木正男氏をしのぶと目から涙がこぼれる。「自分たちが観たい映画を上映するというコンセプトの映画祭。今回、ここで授賞式をやることになって、東京と高崎がつながった感じがしてうれしい」と言葉に詰まりながらも偉大なる映画祭をたたえた。
その後も、最優秀主演男優賞を受賞した長谷川が「電車の中で受賞を聞いたとき、思わず泣いてしまった」としみじみ語ると、最優秀助演女優賞に輝いた山崎も「一生大切にしたい賞と映画です」と感無量の表情を浮かべる。また、最優秀新人女優賞の寉岡も「5歳から役者をやらせてもらって、大好きな作品で初めて評価されたことがうれしい」と大粒の涙を流すと、場内は温かい拍手に包まれた。
授賞式の最後には、忍成修吾や村上淳など映画『ヘヴンズ ストーリー』には欠かすことのできないメンバーも祝福に駆けつけ“ヘヴンズ一家”の結束の固さを実感させられる催しとなった。(磯部正和)
映画『ヘヴンズ ストーリー』は6月24日まで渋谷ユーロスペースにてアンコール上映中
第25回高崎映画祭受賞者・受賞作品は以下の通り
最優秀作品賞:『ヘヴンズ ストーリー』瀬々敬久監督
最優秀監督賞:『ヒーローショー』井筒和幸監督、『ゲゲゲの女房』鈴木卓爾監督
最優秀主演女優賞:『ゲゲゲの女房』吹石一恵、『時をかける少女』仲里依紗
最優秀主演男優賞:『ヘヴンズ ストーリー』長谷川朝晴
最優秀助演女優賞:『ヘヴンズ ストーリー』山崎ハコ
最優秀助演男優賞:『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』宮崎将
最優秀新人女優賞:『ヘヴンズ ストーリー』寉岡萌希
最優秀新人男優賞:『ヒーローショー』後藤淳平、福徳秀介