「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2011」グランプリ決定!米国アカデミー賞短編部門ノミネートの候補作品に
26日、16日より開催されたアジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2011」がフィナーレを迎え、渋谷区の明治神宮内神宮会館にてアワードセレモニーが開催。グランプリの発表とレッドカーペットが行われた。
インターナショナル部門、アジアインターナショナル部門、ジャパン部門の3部門の優秀作品の中から選ばれるグランプリには、インターナショナル部門の優秀賞とW受賞となる「ヘルムートの誕生日」が選出。コンペティション対象作品68作品の中から選ばれ、ニコラス・シュタイナー監督は「今後の制作活動に大きな影響を与えてくれると思います」と喜びを爆発させた。同作には賞金60万円が贈られるとともに来年の米国アカデミー賞短編部門ノミネートの候補作品に加えられる。
また、アジアインターナショナル部門には映画祭常連となる韓国の「パープルマン」(キム・タクフン、ユ・ジニョン、リュ・ジノ、パク・ソンホ共同監督)が、昨年は該当作品のなかったジャパン部門には「中国野菜」(河村勇樹監督)が選出された。審査員を務めた映画プロデューサーのジョージナ・ポープは、今回のグランプリ作品について「ちょっと生意気で楽しくて面白くて、心に訴えるものがありました。監督は勇気を持って型を破り堂々と表現してくれました」と賛辞の言葉を寄せた。また、同じく審査員で女優の菊川怜はジャパン部門の「中国野菜」に「日常の中にあるファンタジーが確かな技術力と映像で表現されていました」を選考のポイントを明かした。
最後に実行委員長で俳優の別所哲也は「今年東日本大震災が起きて、3.11以降本当に開催できるのかと悩みましたが、多くの方に助けていただいて開催できました。この映画祭は13年目を迎えたばかりでまた思春期を迎えたばかりですが、これからも短編映画の魅力を日本から世界に発信していきたいと思います」と」と力強く語り締めくくった。
その他、「ミュージックShort部門」では特別製作作品「皆既日食の午後に」に出演している女優の南沢奈央と濱田龍臣がゲストに登壇。ガサツな宅配スタッフを演じた南沢は「台本を家で読んでたら家族に21歳にして反抗期かって驚かれました」と撮影中のエピソードを披露。
今年から新設された「3D部門」で審査員を務めた押井守監督は「3Dの映像は果たして映画になるのかどうか、まだ証明されたわけじゃないと思う。かつて映画はカラーになり音声が入り、3Dもそういう新しい技法になりえるのかどうか、どの程度まで演出を自分の手のうちに収めてるのか見たいと思う」と辛口ながらも若手クリエイターの未来に期待を込めていた。(取材・文:中村好伸)