闘病中の原田芳雄、舞台あいさつを急きょ欠席!さびしさを吹き飛ばすかのように佐藤浩市らは爆笑トークを披露!」
16日、映画『大鹿村騒動記』の公開初日舞台あいさつが丸の内TOEIで行われ、腸閉塞と肺炎を併発して闘病中の原田芳雄も登壇予定だったが急きょ欠席。出演者の佐藤浩市、石橋蓮司、松たか子、岸部一徳、大楠道代、阪本順治監督ら登壇者たちは、主役不在の淋しさを吹き飛ばすかのような爆笑トークを繰り広げながら、しみじみと原田への思いを口にした。
7月4日に闘病中であることが報じられた原田は、その後大阪で行われた舞台あいさつを欠席。7月11日に新宿で行われた試写会には車いすで出席するも、闘病中であることを物語る痩せた姿を見せその後の体調を心配されていた。この日原田が舞台あいさつを欠席した理由について、阪本監督は「この映画館は階段が多い。それだけです」と、心配を払拭するかのように冗談混じりに説明。そして原田本人のコメントとして「映画がヒットした折には、ヒット御礼のごあいさつをしたいと本人はやる気まんまんです。ほかにもしたい企画はたくさんあるようで、芳雄さんは2月29日が誕生日なのですが、その日にライブをやりたいともおっしゃっていました」と元気そうであることを会場に集まった人々に伝えた。
その後は主役が欠席した淋しさを皆で吹き飛ばすかのように、登壇者たちは明るく楽しいトークを繰り広げる。先日本作のPRのためにラジオに出演したという佐藤は、「活字になるようなことを言ってくれ」と阪本監督に言われたそうで「阪本監督は三谷幸喜が嫌い、と言ったらそこがラジオで使われました」と暴露する。監督が苦笑しながら「いや、嫌いじゃないですよ」とあわてて否定すると、佐藤は「映画界にはいろいろあります」と意味深なコメントをして監督をさらに追い込むなど、息の合った掛け合いで会場を盛り上げた。
そして一同は、原田への尊敬と愛情が感じられるコメントをそれぞれ寄せる。大楠が「(観客の)皆さんが来ていること、映画の評判が良いことが原田さんの一番の薬になると思う、どうぞよろしくお願いします」としみじみ語れば、阪本監督も「芳雄さんはこれから人を明るくする映画をやっていきたいとおっしゃっていた。人を明るくする映画で芳雄さんと組ませていただければと思います」と再びタッグを組むことを約束し、会場の温かい拍手を浴びていた。
『大鹿村騒動記』は、長野県の山村に300年以上も伝わる「大鹿歌舞伎」をモチーフに、『亡国のイージス』『顔』の阪本順治監督と原田芳雄がタッグを組んだ群像喜劇。伝統の村歌舞伎が受け継がれてきた山村で食堂を営む男のもとに、18年前にかけ落ちした自分の妻と友人が現れたことから始まる騒動を軽妙なタッチで描く。(肥沼和之)
映画『大鹿村騒動記』は丸の内TOEIほか全国公開中