麻生久美子、観客の言葉に涙! 映画『ロック~わんこの島~』、三宅島での無料凱旋上映会に佐藤隆太ら豪華キャスト陣が勢ぞろい
15日、映画『ロック~わんこの島~』の無料凱旋上映が、同作のロケ地となった三宅島で行われ、主演の佐藤隆太、麻生久美子、倍賞美津子、中江功監督らが、三宅島村長の平野祐康、本作のモデルとなったロックの飼い主、民宿「夕景」経営者の沖山勝彦、有紀夫妻が舞台あいさつを行なった。
2日間、3回にわたって行われた舞台あいさつ初日は、昨年亡くなったロックの命日。飼い犬ロックと苦渋の別れを決断することとなる、野山家の父親役を演じた佐藤が「僕は、この映画のロケのために三宅島に滞在して、三宅島の皆さんの温かさに触れて、この島がとても大好きになりました。ロックの命日に、皆さんのもとに、完成した作品を届けられてうれしいです」とあいさつすると、島の人々で満員になった体育館は「おかえりー!」「ありがとう!」という大歓声に包まれた。上映が始まると、麻生演じる元気な母ちゃんが、子犬のロックにおしっこをひっかけられるシーンで子どもたちの元気な笑い声が起こり、島を襲った噴火のシーン、そして4年半ぶりに三宅島への帰島が決まったシーンでは、当時を思い出すかのように、すすり泣きがあちこちから聞こえてきた。2000年の夏に、三宅島を襲った大噴火。大人よりもひと足早く、島外避難した小学生たちは、りっぱな成人となっている。当時、高校生だったという女性は、「子どもたちだけで疎開して、秋川高校で寮生活を送っていたとき、小学生たちが公衆電話の前に長い列を作っていたのを思い出しました」と語った。
上映後に再び舞台あいさつを行なったキャストたちには温かい拍手が送られ、島の人々から直接、感想が語られた。そのなかで、夫が三宅島出身で、7か月前に島にやって来たばかりだという22歳の女性が、「3人の子どもを育てながら、毎日がとても不安で、ホームシックになりそうだったんです。でも、この映画を観て、映画の中で前向きに生きる家族の姿に、とても前向きな気持ちになりました」と涙ながらに感想を語ると、壇上の麻生も思わず涙。帰りがけには、自ら足を止め、「頑張ってください!」と固く握手を交わした。
「作品ができれば、それは観客のみなさんのものなんです。」という倍賞の言葉通り、それぞれがそれぞれの受け止め方をしながらも、全員が「前向きな気持ちになれました」と口をそろえた本作。最後に、「みなさんに、どうしても伝えたいことがあります」と切り出した佐藤は、「僕らは、この映画の上映会を、石巻市にある避難所で行なったんです。この映画には地震のシーンも出てくるし、正直とても不安だってんですが、上映後、避難所のみなさんからは、“三宅島の皆さんが、頑張ったように、我々も復興に向けて頑張りたいと思えた”という言葉をいただけました。僕自身、三宅の人たちに力をいただきました。ありがとうございました」と被災地である石巻市にある避難所で行なった上映会の様子を真摯な面持ちで語った。
映画『ロック~わんこの島』は、フジテレビの情報番組「めざましテレビ」の人気コーナー「きょうのわんこ」で話題を呼んだ実話を基に、2000年8月噴火から4年半後の帰島まで、ロックと飼い主一家が懸命に生き抜く姿を描いた作品。(編集部:森田真帆)