原田芳雄さん死去享年71歳…腸閉塞と肺炎で闘病中 今月公開の映画『大鹿村騒動記』が遺作に
映画『竜馬暗殺』など、長年にわたって日本映画界を代表する俳優として活躍してきた原田芳雄さんが、19日午前9時35分に肺炎で亡くなった。71歳だった。闘病中と報じられていた原田さんは、今月11日に遺作となった主演映画『大鹿村騒動記』のプレミア試写会に車椅子姿で出席したのが公の場に登場した最後となった。
映画『大鹿村騒動記』の配給を務める東映によると、原田さんは亡くなったのは19日午前9時35分。享年71歳だった。5月に腸閉塞(へいそく)と肺炎を併発し闘病中と報じられていた原田さんは、今月11日には遺作となった同作のプレミア試写会に車椅子姿で出席。声が出にくいということで共演の石橋蓮司がメッセージを代読するなど、共演者が原田さんを気遣う様子も見られた同イベントが、原田さんが、公の場に姿を見せた最後となった。
1940年生まれの原田さんは1960年代後半から1970年にかけて、映画『復讐の歌が聞える』『反逆のメロディー』に出演した後、黒木和雄監督の映画『竜馬暗殺』『祭りの準備』に相次いで出演した。その後も順調にキャリアを積み重ね、近年は映画『父と暮せば』などで主役級の役柄を演じる一方、映画『奇跡』『座頭市 THE LAST』では脇を固める俳優として存在感を示すなど、日本映画界に欠かせない俳優の一人として活躍。今月16日には、長野県の山村に300年以上も伝わる「大鹿歌舞伎」をモチーフにした主演映画『大鹿村騒動記』が公開されたばかりだった。
これまでに日本アカデミー賞の主演男優賞に2度ノミネートされたことのある原田さんは、ブルーリボン賞を2度、日本映画プロフェッショナル大賞を1度受賞。名実共に日本映画界を代表する俳優だった。還暦を迎えた後も活躍は衰えるどころか、ますます盛んに。71歳という年齢での死を早過ぎると思う人もきっと多いに違いない。(編集部・福田麗)