手嶌葵ライブ開催!「ヱヴァ」庵野率いるスタジオの幻想的な映像と美声コラボにファンうっとり 宮崎吾朗監督も登場!
21日、スタジオジブリ主催のライブイベント「『コクリコ坂から』公開記念 手嶌葵 360°ライヴ in icofarre」が東京・六本木のニコファーレにて開催。同作で音楽を手掛けた武部聡志のピアノ演奏の中、手嶌葵が主題歌「さよならの夏~コクリコ坂から~」など13曲をしっとりと歌いあげたほか、宮崎吾朗監督も会場にかけつけてファンを喜ばせた。
この日のイベントは、18日にグランドオープンしたばかりの、「ニコニコ動画(原宿)」のコンセプトを取り入れた次世代ライブハウス「ニコファーレ」で開催。ホールの壁面と天井には、観客を360度取り囲むようにLEDディスプレイが設置されており、手嶌の歌声と共に、映画のシーンや庵野秀明が率いるアニメ製作会社スタジオカラーによる、様々な映像が映し出された。中にはホール自体が雲の上を飛んでいるように見える演出や、水中にたたずんでいるような気持ちにさせるような映像もあり、まるで都会にいることを忘れてしまいそうな、幻想的な空間演出で観客を魅了していた。
手嶌もこのLEDディスプレイの映像には「きれいですね」とにっこり。曲の間のトークでも、LEDの明かりで「みなさんの顔がはっきり見えます」と語りかけながらライブを行った。この様子はニコニコ動画でも中継され、特徴の一つ、「コメント」書き込みもモニターに登場。一部の間だけだったものの、手嶌の歌声に「すげー心が洗われる」「癒やされた」など感動を表すコメントが表示され、ネットで鑑賞していたニコ動ユーザーにも大盛況だったようだ。
この日は、宮崎吾朗監督もステージに登場して手嶌を激励。イベント後には囲み取材も行われ、監督は「中高年の方のファンが多いと聞いてうれしいです」と本作についてコメント。「ただ、若い方が(劇場に)あまりいないとも聞いたので、若い方にも観てほしいです。時代は変わっても人を愛することに変わりはありません」と舞台の時代設定がやや古い本作を、若い世代にもアピールした。また、前作『ゲド戦記』に起用し、今回も主題歌に抜てきした手嶌については「かわいくて、信念を持っていて、可能性を秘めている子です」と大絶賛。ただ、手嶌が以前インタビューで自分のことを「すてきなおじさん」と言っていたことをポツリと明かし「お兄さんって言ってほしいな」と悩む姿も見せる宮崎監督だった。
映画『コクリコ坂から』は、『ゲド戦記』以来宮崎吾朗監督が約5年ぶりに演出を手掛ける、ファンタジックな要素を排したスタジオジブリ作品。東京オリンピックの開催目前の横浜を舞台に、16歳の少女と17歳の少年の愛と友情のドラマと、由緒ある建物の取り壊しをめぐる紛争を軸に、真っすぐに生きる高校生たちの青春をさわやかに描いていく。主人公となる少年少女の声を担当する長澤まさみと岡田准一にも注目だ。(取材・文:中村好伸)
映画『コクリコ坂から』は東宝系にて全国公開中