ハリポタ最終章は2週目にして72パーセントという落下率 新作『キャプテン・アメリカ』は華々しいトップ -7月25日版
全米ボックスオフィス考
アメコミ・ヒーローものに対して食傷気味と思われていた全米ボックスオフィスだが、マーベルの新作映画『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』が6,506万ドル(約52億480万円)をたたき出し、全米ナンバーワンに輝いた。(1ドル80円計算)
今週第1位の映画『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』場面写真
日本では、なじみが薄いが、キャプテン・アメリカは今年公開されたアメコミ・ヒーローの中でも一番有名なキャラで、スーパーヒーロー軍団であるジ・アベンジャーズの一員としても知られている。
ここ最近公開されたアメコミ作品のデビュー週末収益は、映画『マイティ・ソー』の6,572万ドル(約52億5,760万円)、映画『グリーン・ランタン』の5,317万ドル(約42億5,360万円)、そして映画『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』の5,510万ドル(約44億800万円)となっている。本作のデビュー週末収益は『マイティ・ソー』よりは若干低いが、ほかの2作品よりも上回っている。
また、3D上映館の収益が全体の40パーセントだったことを考えると、『マイティ・ソー』の60パーセントに比べ、3Dの高額なチケット単価にあまり頼らず(客数がある程度少なくても、3Dは単価が高いので総合収益では大入りに見えることがしばしば)、ある意味では昔ながらにコツコツと(!?)一人ずつ観客から定額の入場料をもらい、たくさんのお客さんに来てもらうことで収益総額を上げている。
なお、配給パラマウント・ピクチャーズの統計によると週末に本作を観に来ていた観客の64パーセントが男性客、58パーセントが25歳以上の観客であることが発表されている。
第2位は、72パーセントという落下率でトップから滑り落ちてしまった映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』の4,742万ドル(約37億9,360万円)。封切り10日間の歴代記録において映画『ダークナイト』に次いで2億7,354万ドル(約218億8,320万円)という収益を上げたものの、出だしがハデだと落ち方もハデという全米ボックスオフィスの定説を立証する形になってしまった。
第3位は、今週初登場のジャスティン・ティンバーレイク、ミラ・クニス出演のラブコメ映画『フレンズ・ウイズ・ベネフィッツ(原題) / Friends with Benefits』で1,862万ドル(約14億8,960万円)。この手のジャンルにしては可もなく不可もないレベルの成績といえよう。、2,926館・3,500スクリーンで封切られたこの作品を週末に観に来ていた観客は、配給のソニー・ピクチャーズによると62パーセントが女性客、そして56パーセントが25歳以上の観客であったという結果が発表されている。
第4位は、先週から2ランクダウン、収益43.5パーセント減で、映画『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』の1,205万ドル(約9億6,400万円)。上映館が542館減ったもののこの成績ということで、公開後約1か月後にしてはまずまずのパフォーマンスといえる。ちなみに、封切り後26日で3億2,584万ドル(約260億6,720万円)の総合収益をたたき出している。
トップ5の最後は、デビュー3週目の映画『モンスター上司』の1,190万ドル(約9億5,200万円)。先週から33.1パーセントの収益減となった。
さて次回のチャート予想だが、上位にランキングが予想される候補作品が3本スタンバっている。まずは、久々のハリソン・フォード、そして映画『007』シリーズでおなじみのダニエル・クレイグ出演の映画『カウボーイ&エイリアン』だ。この映画のポスターにはインディ・ジョーンズめいた格好をしたダニエルとハリソンが立っており、カウボーイが町を侵略しようとするエイリアンとバトルを繰り広げるという何ともファンキーなSFカントリー&ウエスタンという新種の珍ジャンルである。最近は隠居モードなハリソンと、ダニエル演じるカウボーイが果たしてどれだけアメリカの映画ファンに受け入れられるかという点がボックスオフィス勝敗の分け目となりそうだ。
2本目の候補は、夏休みたけなわで上位ランキングに向けて気炎を吐くファミリー映画『スマーフ』。最近ハヤリの実写とCGのキャラが共演する映画だ。こういった作品は夏休みの子どもパワーに後押しされて、予想以上のヒットとなることもあるため、キャプテン・アメリカ、ハリー、カウボーイたちもウカウカしていられない。
最後に候補作品3本目は、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング、ケヴィン・ベーコン、ジュリアン・ムーアら豪華キャスト共演の映画『クレイジー・ステューピッド・ラブ(原題) / Crazy, Stupid, Love.』。ドタバタ・コメディー作品が多い感のあるスティーヴが、ちょっと大人の恋愛に挑戦した作品である。トップは狙えないとしても、上位5位に入る可能性は高く、次回のトップ5がどのようなランキングになるか楽しみである。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)