堀北真希&高良健吾『白夜行』がアメリカで好評価!
ニューヨークのジャパン・ソサイエティーで開かれていたイベント、ジャパン・カットでクロージングナイトの作品として北米初公開された映画『白夜行』について、アメリカ人の反応を聞いてみた。
まず、日本映画に精通していると語るスティーヴン・グローバスさんは「題材が性的児童虐待や子どもの暴力なども扱っていて、なかなかアメリカ映画では描きづらいものが目についたね。犯人もアメリカのテレビドラマ『LAW & ORDER ロー&オーダー』などのように、すぐに犯人が予想できるものと違って、興味深く観ることができたよ。オープニングのシーンで子どもが野原を駆けているシーンから、これから何が起こるのだろうとハラハラさせられた。去年観た映画『告白』もそうだが、日本には良い映画がたくさんあると思ったね」と満足しながら答えてくれた。
批評家のジョシュア・チャプリンスキーさんは「70年代の警察の捜査の映像は、デヴィッド・フィンチャーの映画『ゾディアック』を彷彿させていた。それと、はっきりとしたカラーの使い分けと興味深いフレームワークが、上手く俳優の感情を引き出しているように思えた。2時間半の映像の中で、二人の子どもに焦点を置くようになってから、いくつか必要ではないと思えるシーンもあったが、もう一度観たいと思わせる魅力のある映画だったよ」と述べた。
最後に、同イベントのディレクターであるサミュエル・ジャミエさんは「大阪の繁華街ではなく、スラム街というか貧困層の多い地域が最初の舞台になっているのが印象に残ったよ。日本映画で描かれる大阪の映像は、僕らアメリカ人はいつも繁華街を観ている気がするからね。それから人間観察がよくできている映画だと思ったよ。さらに、一人一人のキャラクターが個性的に描かれているね。およそ、20年間もの期間を2時間半のドラマに仕上げた(深川)監督の能力も素晴らしいと思う。主演の堀北真希は、アメリカでは日本のアイドルだと思われているが、彼女の演技には驚かされたよ」と述べたサミュエルさんは、いつもこのイベントでの映画を慎重に選考していると教えてくれた。
アメリカでまずまずの好評価を得たこの映画のブルーレイは、7月20日から発売されている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)