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竹原慎二「ガチンコ!」ファイトクラブのDNAは脈々と!原案のボクシング映画にかつての教え子出演!

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熱い男たちの、拳の物語を作り上げた竹原慎二と城定秀夫監督
熱い男たちの、拳の物語を作り上げた竹原慎二と城定秀夫監督

 元WBA世界ミドル級チャンピオン・竹原慎二原案による人気コミック「タナトス~むしけらの拳~」が城定秀夫監督のメガホンにより『タナトス』として映画化されることになり、竹原のボクシングジムで再会した監督と竹原の2人が、ガチンコトークを繰り広げた。

映画『タナトス』場面写真

 少年時代の竹原は、地元・広島でケンカに明け暮れ、「広島の粗大ゴミ」とさげすまれるほどの、手のつけられない暴れん坊だった。そんな彼がボクシングに出会い、やがて「日本人には絶対に無理だ」と言われてきたWBA世界ミドル級チャンピオンの座に就くことに。竹原は、「人生はやり直せる」ということを、自身の生きざまをもって証明した。暴走族のケンカの助っ人として、その日暮らしの生活費を稼ぐ孤独な不良少年・リク(徳山秀典)が、偶然通りかかった「西田ボクシングジム」所属のアマチュアボクサー、棚夫木(佐藤祐基)にたたきのめされ、やがてボクシングの世界に足を踏み入れることになる……、という本作の物語には、そんな竹原の熱い思いが色濃く反映されている。

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 思い返せば、札付きの不良少年たちにボクシングを教え、プロデビューを目指すという、TBSのテレビ番組「ガチンコ!」内のコーナー「ファイトクラブ」にも、竹原の「人生はやり直せる」といった思いが詰まっていた。城定監督も「よく観ていましたよ!」と笑顔で竹原に語りかける。また、実は本作にも「ガチンコファイトクラブ」の卒業生で、プロデビューを果たした斉藤一平が、主人公のリクと対立する暴走族のリーダー役として参加しているのだという。「あいつはボクサーから俳優へと、夢を持って次の舞台に移ったということです。今は土木作業員をやりながら、売れる役者になれるよう頑張っていますよ」と斉藤の近況を語る竹原。「でも、親は大学まで行かせたのに、きっと悲しんでいますよね」と漏らしながらも、かつての教え子が努力を重ねている様子がうれしくて仕方がないようだ。

 さて、本作を監督した城定秀夫といえば、『ガチバン』『デコトラ★ギャル奈美』『ホームレスが中学生』『新宿区歌舞伎町保育園』『新高校教師 桃色の放課後』など、ピンク映画、Vシネマのフィールドで快作を連発する新鋭。30代半ばにして、すでに50本以上という驚異的なペースで作品を生み出し続け、低予算を逆手にとったパワフルで確かな演出力は「ポスト三池崇史」として注目を集めている。今回、竹原の情熱をかけた原作を映画化することになった城定監督は「こういう熱くストレートな話は、一歩やり方を間違えると古くさくなって難しいんですよね。ですからアクション映画というよりは、リクの気持ちに寄り添った青春映画として演出しました」と述懐する通り、本作は拳でしか語り合うことのできない男たちの熱い魂が胸に響く快作となっている。

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 山下智久主演の『あしたのジョー』、市原隼人主演の『ボックス!』、そしてアカデミー賞作品賞にノミネートされたマーク・ウォールバーグ主演の『ザ・ファイター』などが次々と公開され、近年注目を集めているボクシング映画。ボクシング経験を持つ主演の徳山が、過酷なトレーニングに挑戦し作り上げた本格的な肉体には、竹原も「肉体作りも含めてチャンピオンの素質がある」と太鼓判を押すほどで、ほかの作品にもひけをとらないリアリティーで迫る。そんな徳山が、日本ボクシングの聖地、後楽園ホールで繰り広げるクライマックスの見事なボクシングシーンには、拳で未来をつかみ取りたいという、ボクサーの熱い思いが詰まっている。(取材・文:壬生智裕)

映画『タナトス』は9月10日より渋谷ユーロスペースにてレイトショー公開

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