藤子不二雄コンビ幻の単行本デビュー作が完全復刻! 松本零士保存の原本などが基に
「ドラえもん」の藤子・F・不二雄さんと「怪物くん」の藤子不二雄Aコンビの単行本デビュー作にして、最初で最後の描き下ろし長編「UTOPIA 最後の世界大戦」を小学館クリエイティブが完全復刻する。
映画『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~』場面写真
本著は藤子・F・不二雄、藤子不二雄A両氏が、足塚不二雄名義で描いたSF漫画。手塚治虫さんの紹介により、1953年に鶴書房から出版され、2人の単行本デビュー作となった。当時は大城のぼるさんが表紙絵を担当し、ほかの漫画家の作品とのカップリングによる出版だったが、その後本人たちの手で新たに表紙が執筆され、カップリング作品を外した形で2度復刻がされている。
今回の復刻にあたっては、「銀河鉄道999」の松本零士が保存していたという原本などを基に、当時の本文2色印刷を再現。本作の日本漫画界における資料的価値の高さを考え、初版そのままの形を忠実に再現している。さらに購入特典として、初回配本分にのみ、劇中に登場するロボットのオリジナルペーパークラフトが封入。ファンにとって見逃せない、新たなプレミアムアイテムとなりそうだ。
「UTOPIA 最後の世界大戦」は第3次世界大戦で使用された「氷素爆弾」により凍りついた地球が舞台の終末SF漫画。100年後、シェルターから目覚め、爆弾の被害から立ち直り、科学文明の発達したユートピアとして再建された地球の姿を目撃する少年を通して、戦争批判や管理社会への警鐘など、現代にも通じるテーマが描かれる。9月には「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」がオープンし、映画『映画 怪物くん』の公開も迫るなど、現在も世の中の注目を集め続ける、藤子不二雄両氏のルーツを探る、貴重な名作となっている。(編集部・入倉功一)
「UTOPIA 最後の世界大戦」は小学館クリエイティブより8月29日出版(税込み:3,990円)