櫻井翔「無力感を感じた」医師役に森光子からサプライズのねぎらい!「よいお仕事をなさいましたね」
医療を通じて命の大切さを描いた映画『神様のカルテ』の試写会付きトークイベントが15日、スペースFS汐留で行われ、主演の櫻井翔(嵐)と深川栄洋監督が99歳の名医・日野原重明氏(聖路加国際病院理事長・名誉院長)と「寄り添う医療の大切さ」について語り合った。またこの日の会場には130人の現役看護師が来場し、映画鑑賞後に感動のあまり涙を流す姿が多数見られた。
現役看護師たちに作品を鑑賞してもらうとあって、やや緊張の面持ちで登場した櫻井。「お手柔らかにお願いします」とあいさつした後、撮影前に役づくりのために受けたという医療研修の思い出を振り返り、「ビックリしたのが、医師が内視鏡の検査をしながら、患者さんに『これはガンですね』と軽いトーンで言うんです。聞いてみたら、何年も前から看ている患者さんで、信頼関係の中で成り立っていることだと説明してもらった。はたから見るとわからない太いつながりが、医者と患者の間にあるんだなと感じました」としみじみコメント。そして実際に医師を演じて感じたのは、大きな無力感だったことを告白し「極論をいうと、人にはいずれ死期がくる。自分に命を救えているのかというと、救えてはいない。でも、死に向かう患者さんの心に寄り添うことはできるのかな、というのが一つの答えでした」と医師や医療の存在意義について真摯(しんし)に語った。
また医師歴72年という日野原氏は、「わたしが若かったころの医師を思い出しながら映画を観ました」と感想を語った後、若かりしころに患者の死に直面したときの苦悩や葛藤を披露。重みのあるその内容に、櫻井や看護師たちは真剣に聞き入っていた。そしてこの日の会場には、サプライズで女優の森光子から手紙と「寄り添い」という花言葉を持つヒマワリの花束が届けられた。手紙を通じ「櫻井さん、よいお仕事をなさいましたね」と森からねぎらいの言葉をかけられた櫻井は、「ビックリしました、とてもうれしいです」と感無量の表情を浮かべ、一方の日野原氏も花束を手に「花をもらうとなでしこジャパンを思い出すね」とチャーミングなコメントで会場を笑わせていた。
『神様のカルテ』は、長野県・松本の本庄病院を舞台に、医療の現状やそのあり方について描いたヒューマンドラマ。最愛の妻・榛名(宮崎あおい)らと語らうことが日々の楽しみである内科医の栗原一止(櫻井翔)が、ある患者と出会ったことで人生の岐路に立ち、医師として、また人間として成長していく姿が感動を呼ぶ。(肥沼和之)
映画『神様のカルテ』は8月27日より全国公開