ジャッキー・チェン、出演100作目『1911』の予告編が解禁!『ラストエンペラー』の時代を描いた歴史スペクタクル
アジアを代表するアクションスター、ジャッキー・チェンの記念すべき100本目の出演作となる映画『1911』の予告編が解禁され、中華民国建国のきっかけとなった辛亥革命を壮大なスケールで描いた本作の一端が明らかになった。ジャッキー自ら総監督を務めた本作でスポットを当てられているのは、これまでに何度となく取り上げられてきた歴史上の偉人ではなく、誰かのために国を変えようと奮闘した人々の姿。節目の作品ということもあり、ジャッキーの歴史観が反映された作品に仕上がっている。
今回解禁されたのは、構想10年・総製作費30億円ともいわれる本作の壮大なスケールを伝えてくれる予告編映像。今からちょうど100年前の1911年に起こった辛亥革命を、今回は群像劇として描いていることをジャッキーは示唆しており、わずか2分足らずの予告編にも群衆シーンが多く登場するなど、そのことを強く印象づけている。また、映画『レッドクリフ』で撮影監督を務めたチャン・リーを監督に迎え入れているだけあって、爆発シーンなどのスペクタクルも満載。登場人物の内面を深く掘り下げる一方で、観客を飽きさせないような派手な絵作りにも手を抜いておらず、見事に一級品のエンターテインメントにしているあたりはさすがの一言だ。
本作の総監督を務めているジャッキーは、衰退の一途をたどる清王朝を憂い、新しい国をつくるために立ち上がった孫文の参謀・黄興を演じている。これまで辛亥革命を扱った映画では、『ラストエンペラー』の清朝最後の皇帝・溥儀をはじめとして、孫文や袁世凱といった、いわゆる歴史を語る上では欠かせない人物の側から描くことが多かった。だが本作では、一般にその名が浸透しているとは言いがたい黄興を主役にすることで、彼の目を通した当時の中国の情勢をとらえることに成功。そこで描かれる中には前述の歴史上の偉人だけでなく、めったに顧みられることもない当時の民衆一人一人のドラマも含まれており、結果として、ジャッキーの言葉を借りるのならば「すべての人は『愛』のために大きな犠牲を払ったのです」という大きなテーマが浮かび上がってくる。登場人物の誰一人としてないがしろにすることはない、実にジャッキーらしい作品だ。
出演はジャッキーのほか、ウィンストン・チャオ、スン・チュンなど。映画『ドラゴン・キングダム』でもジャッキーと共演したリー・ビンビンが大胆なラブシーンに挑む一方、ジャッキーの息子ジェイシー・チェンが本作でジャッキーと初めて本格的に共演するといった話題にも事欠かない本作。先日には第24回東京国際映画祭の特別オープニング作品になったことも発表され、同映画祭のためにジャッキーが来日予定であることも明かされた。ジャッキー自らが、出演100本目となる本作の日本公開に華を添える。(編集部・福田麗)
映画『1911』は11月5日より丸の内TOEIほかにて全国公開