『さや侍』主演の野見隆明が号泣!松本人志監督も目をうるませた…約8,000人が、会場で大合唱!-第64回ロカルノ国際映画祭
現地時間8月12日夜、第64回ロカルノ国際映画祭の最大イベントである野外劇場で松本人志監督作映画『さや侍』が海外初となる公式上映され、約8,000人収容する会場では終始笑いがあふれた。上映終了後は観客たちが輪になって大合唱をしながら深夜にもかかわらず、会場を後にする松本人志監督を囲んで勝利の凱旋のような雰囲気に包まれた。主演の野見隆明も会場端でスタッフの肩を借りて号泣、松本監督も目をうるませるなど感動的な上映となった。
今年のロカルノ国際映画祭は、2年前から本映画祭ディレクターを務めるオリビエ・ペレ氏の熱烈なラブコールにより、「松本シネマ」と題して『さや侍』をはじめ『大日本人』『しんぼる』の特別上映が話題を呼んでいた。
舞台あいさつでは、ガチガチに緊張していた野見がうまくコメントできない横で、熊田聖亜、板尾創路らがしっかりとあいさつし、会場をわかせた。松本監督も、扇子に書いたカンペを読みながら、「オッティモ!(最高!)」とさけぶと会場がこだまで返すなど、終始和やかな雰囲気で上映された。
松本監督は「あまりにも会場が大きくて想像以上。観客に受け入れてもらえてすごく光栄です。うれしいと同時に、次はどうしようかと考えてしまいますね」と述べた。上映後、松本監督と同席していたペレ氏も「想像以上の反応で、とてもうれしい。アジアのコメディはヨーロッパで受け入れにくいのが常だったので、少し心配していました。松本さんはコメディアンとしてももちろん、映画監督としてもとてもすばらしい才能を持っています。『さや侍』は感情表現が豊かに構成されているので、より多くの人が共感できたのだろう」とほほを緩ませて語った。
同日の朝に行われた公式記者会見で、「日本のほかの監督作品もコンペティション枠で上映されていますが、その方々へのエール等はありますか?」というある記者の質問に対して松本人志監督は「野見さんを、どうか起用してあげてください」と切り返し、国内外のプレスから大きな笑いが起きた。(取材・文:スイス特派員・高松美由紀)