堺雅人、20人の少女たちとの共演、もんぺ姿と私服姿の落差に驚嘆したことを率直に明かす!
映画『武士の家計簿』や『ツレがうつになりまして。』などの話題作に続々出演し、今や邦画界を背負って立つ存在になった堺雅人が、帝国軍人・真柴少佐を演じた浅田次郎原作の映画『日輪の遺産』で、もんぺ姿を披露した20人の少女たちを見て思わず感心したこと、そして戦後生まれの自分が戦争を語ることの難しさを明かした。
本作に登場する、勤労動員として秘密の作戦に参加することになった少女20人との共演について現場での様子を堺に尋ねると、「彼女たちとは先生と生徒のような関係で、共演者という意識もあまりなかったように思います。控え室なども別に設けられていましたし、お互いに仲良くなってわいわいやるような役どころでもなかったので、距離をとりつつ、時々一緒に演技という形の授業で接するというような感じでしたね」と淡々と語る。
いまどきの女の子である彼女たちのもんぺ姿について聞いてみると、「もんぺ姿は新鮮でしたが、私服姿の彼女たちを見たときにその落差にびっくりしました! やはり、もんぺというのは、彼女たちを純粋無垢(むく)な乙女に見せるのに一役買っているんだなと思わず感心してしまいましたね」と笑顔を見せた。
今回堺が演じた真柴少佐という人物は、軍人というステレオタイプに当てはまらない、非常に繊細かつ傷つきやすい、とても人間的な人物。実際に戦後世代でもある彼があの時代の軍人を演じるのはかなりの覚悟が要ったと思うのだが、「自分の実感をまったく離れた状態で、こんなふうにしていれば戦争っぽくなるのではないか……というような薄っぺらな作り方だけはしたくないと思っていました。それなら多少生ぬるくなっても、自分の手の届く範囲での軍人でありたいし、自分が理解できる範囲の戦争というものの認識でいたい」と作品に対する真摯(しんし)な思いを明かした。
戦争映画というジャンルを超え、浅田作品らしい温かさを持った近代史ミステリー『日輪の遺産』。堺の意気込み、そして20人の少女たちの活躍をスクリーンで体感してほしい。(平野敦子)