ナタリー・ポートマンに次ぐ子役出身女優は彼女!『ラブリーボーン』のシアーシャ・ローナンがヒット・ガール役を好演!!
8月27日に公開される映画『ハンナ』でシアーシャ・ローナン演じたハンナが、ナタリー・ポートマンふんする『レオン』のマチルダから、クロエ・グレース・モレッツふんする『キック・アス』のヒット・ガールへと連なる美少女ヒットマンの系譜に、新たに名を連ねた。美少女の活躍が楽しめるサスペンス・アクションとして注目を集めている『ハンナ』。本作では、人里離れた雪原地帯で父から暗殺術の英才教育を受け、文明や父以外の人間と接することなく育った少女ハンナが、16歳になり初めて世界に飛び出して宿敵に立ち向かう、戦いのドラマが繰り広げられる。
本作の魅力には、緊張感あふれたドラマはもちろん、ハンナの研ぎ澄まされた存在感がある。ナイフや銃の扱いもお手のモノのハンナには、見ていてほれぼれしてしまう。それでいて、人間的な感情を知らない無垢(むく)なまなざしにドキッとさせられることもしばしば。冒頭、鹿狩りで鹿を仕留めそこね、「心臓、外しちゃった」とつぶやく姿から、なぜかキュートなのだ。標的に“ダッコちゃん”座りで抱きつく、甘え上手な姿に萌える男性諸氏も少なくないだろうが、油断すると首をひねられるので用心が必要だ。
演じるシアーシャは、『つぐない』で13歳にしてアカデミー助演女優賞にノミネートされた若き演技派女優。『ラブリーボーン』での好演を経て、『つぐない』のジョー・ライト監督と再度本作でタッグを組むこととなった。「ハンナのような女の子は聞いたことも会ったこともない。だからオオカミや犬、それにキツネの本能的な動きを演技の参考にしたわ。ビジュアル的には白ギツネね。髪もまゆも脱色して、人間の女の子には見えないようにしたの」とはシアーシャの弁。マーシャルアーツにも積極的に挑戦した彼女は、「やってみたらとても優美なスポーツであることがわかった。ダンスに似ているわね」と語る。そんな女ギツネのようなしなやかさが、“萌え”の秘密なのかもしれない。
『つぐない』の無垢(むく)な残酷少女、『ラブリーボーン』の家族思いのゴースト、そして今回の美少女ヒットマンと、演技の幅を広げているシアーシャは、ナタリー・ポートマンに次ぐ子役出身女優の出世頭と言えるだろう。そういう意味でも『ハンナ』は要注目の作品だ。(猿園 楽)