ゴジラを生んだ映画監督、本多猪四郎特別展開催!第五福竜丸展示館にて…原発問題の叫ばれる今だからこそ!
東京・夢の島にある都立第五福竜丸展示館にて、特別展「本多猪四郎 ゴジラを生んだ映画監督」が8月19日~21日に開催される。アメリカによる水爆実験によって被害を受けた第五福竜丸が、1954年公開の映画『ゴジラ』製作のきっかけになったことはよく知られるところであり、同展では本多監督にちなんだ台本や絵コンテを展示。原子力発電所の是非が問われる今だからこそ、改めてその製作の意義を振り返ることのできる展覧会となっている。
同展は、映画『ゴジラ』『モスラ』など怪獣映画の名作を多く制作した映画監督・本多猪四郎さんの生誕100年を記念して開催される特別展。主に、『ゴジラ』の台本やスチール写真、絵コンテ、ポスターなどが展示されており、さまざまな角度からその功績を振り返ることができる。また、21日には本多さんの長男・本多隆司氏ほか、ゴジラ研究者の中島伸介氏、本多猪四郎研究者の西田和昭氏などによるトークショーも行われる予定だ。
同展が行われる都立第五福竜丸展示館は、1954年にアメリカ軍が行った水爆実験によって被害を受けた木造漁船「第五福竜丸」の実物に加え、水爆実験被災の被害や乗組員の病状、放射能雨、当時の原水爆反対の運動など、「第五福竜丸」の事件にとどまらない世界の核実験にまつわる資料が展示されている。1954年公開の映画『ゴジラ』が、同年に起こった第五福竜丸の事件をきっかけに製作されたことは今や定説となっているだけに、今回の特別展が、原発問題に揺れる現在行われることの意義は大きいはずだ。
『ゴジラ』がその後半世紀にわたって新作の製作される日本映画を代表するシリーズになったのは、その怪獣映画としての娯楽性の高さが大きな要因となっていることは間違いない。だが、それ故に第1作が体現しているような深いテーマ性が、その後の作品にも引き継がれていることはつい見過ごされがち。公害問題をテーマにした1971年公開の映画『ゴジラ対ヘドラ』など、常に現代の社会問題と寄り添ってきたことはもっと注目されてもいいはずだ。その意味でも、今回の同館での展覧会は、『ゴジラ』が持つ娯楽性とテーマ性の両方をうまく紹介したものとなっている。(編集部・福田麗)
特別展「本多猪四郎 ゴジラを生んだ映画監督」は8月19日~21日に都立第五福竜丸展示館にて開催