芦田愛菜の「会えなくなるのがさびしい…」に松山ケンイチ撃沈
20日、映画『うさぎドロップ』の公開初日舞台あいさつが新宿ピカデリーで行われ、主演の松山ケンイチのほか芦田愛菜、香里奈、桐谷美玲、佐藤瑠生亮、綾野剛、池脇千鶴、SABU監督、主題歌を担当したPUFFY(吉村由美・大貫亜美)が登壇。撮影中に特殊メイクをした松山が、別人にふんして芦田を驚かそうとしたエピソードを披露したが「気づいていましたよ」とあっさり撃沈される微笑ましい場面が見られた。
これまで試写会などのイベントで仲の良さを見せつけてきた松山と芦田は、この日も年の差を越えた”親友”ぶりを存分に発揮する。撮影中に松山は特殊メイクをし、主役以外のとある役も演じているのだが、その最中に芦田を驚かそうとたくらんだことを告白。「別人になりすまして、初めて会った人みたいに愛菜ちゃんにあいさつして喋ってたんだけど、(自分だと)気づいてた?」との松山の質問に、芦田は「気づいていましたよ、声がいっしょですもん」とあっさり回答。なおも松山が「チラチラ見ていたから、絶対わかってないんだろうなって思った。でも半信半疑だったでしょ? ワイだって確信していなかったでしょ?」と完全にプライベート用の口調に戻って食い下がるも、「わかってましたよ。『どうかな?』って思ってずっと見ていたんです」と芦田に断言され、そのほのぼのとしたやり取りに観客たちは大爆笑だった。
そして撮影を振り返った松山は「『うさぎドロップ』はめちゃくちゃ思い出深い作品。(芦田とは)1か月ちょっと常に一緒にいたのですが、撮影期間じゃなくて癒やされ期間のように感じていた。出来上がった作品を見ても、思い出のアルバムみたいな印象がありました」としみじみとコメント。そして撮影後の打ち上げの夜を振り返り、「最後まで愛菜ちゃんと瑠生亮とかくれんぼをして遊んでいた。帰るときに愛菜ちゃんが『別れちゃうけど忘れないでね』と泣いていて、それを見た瑠生亮もつられて泣いているのを見て、子どもってすてきだなと思いました。そんな思いを自分も忘れたくないです」と感慨深げに語ると、芦田も松山を見つめて「会えなくなるのがさびしいです」とポツリ。何とも感動的で温かい舞台あいさつとなったが、見事にオチをつけたのはSABU監督で、「みんな撮影が楽しかったとか言っていましたが、そんな現場の空気を作ったおれはすごい。(『うさぎドロップ』はこれまでの作風と違うが)それも俺の奥深い引き出しからポッと出しただけ。これからもどんどん期待してください」とのコメントで会場を笑わせた。
『うさぎドロップ』は、祖父の葬式に出席するために帰郷した27歳独身のダイキチ(松山ケンイチ)は、祖父の隠し子だという6歳の少女りん(芦田愛菜)に出会う。施設に入れられそうになっていたりんをふびんに思ったダイキチが、つい自分が彼女を引き取って育てると言ってしまったことから始まる珍妙な共同生活を描き出す感動作。(肥沼和之)
映画『うさぎドロップ』は新宿ピカデリーほか全国公開中