こんな美少女だったら殺られてもいい?古今東西バイオレンス・アクション映画総特集!-映画秘宝
父親に殺人術を教えこまれた少女とCIAの戦いを描く『ハンナ』や、元特殊部隊の男が一人の少女を救うためマフィアと壮絶な戦いを繰り広げる韓国映画『アジョシ』など、ハードコアなアクション映画の公開が迫る中、映画専門雑誌「映画秘宝」10月号では「バイオレンス・アクション大百科」特集を掲載、全国のアクションファンに向け古今東西の暴力映画を紹介している。
中でも注目なのは、美少女が殺人術を惜しげもなく披露する映画を選出した、「『こんな美少女に殺られたい!』美少女アサシンMOVIES!」(文・小林真里)。映画『キック・アス』で戦闘少女ヒット・ガールを演じ、日本でもヒットされたい男子が続出(!?)したクロエ・モレッツを筆頭に、未公開作品含めたバイオレンス映画に出演する注目のアクション美少女を特集している。
小林氏は、『ハンナ』に主演するシアーシャ・ローナンが、今度はティーンのコンビで殺し屋を演じる新作映画や、初主演となる映画『ゴッド・ブレス・アメリカ (原題) / God Bless America』で殺し屋女子高生を演じた新鋭のタラ・リン・バーなどを紹介。その一方で、ロシア映画『ヤクザガール 二代目は10歳』で主演を務めた注目子役・荒川ちかを日本代表として選出。撮影時小学校4年生でだったという彼女を「ロシア語とワイヤーアクションにも果敢にトライした99年生まれの今後の活躍に注目!」と絶賛している。
さらに特集には、ギンティ小林氏による「『ナメてた相手が実は殺人マシーンでした』MOVIES!」のページも。こちらは『沈黙の戦艦』のスティーブン・セガールや『96時間』のリーアム・ニーソンなど、一見普通の職業の人に見えて、実はメチャクチャ危険人物だった! というヒーローたちをユーモアたっぷりに紹介している。そのほかにも1950年代からゼロ年代までのバイオレンス・アクションの歴史を紐解く「秘宝的ヒストリー・オブ・バイオレンス」や、戸梶圭太ら和製バイオレンス小説の旗手たちが暴力映画について語るエッセイなど、まさに暴力アクションづくしの23ページ。アクション映画ファンを自認する者なら、必ず手にしたい1冊となっている。
また今月号では、「さらば、永遠のアウトロー」の言葉と共に、先月惜しまれつつ亡くなった俳優・原田芳雄さんを追悼。原田さんのフィルモグラフィーを網羅しつつ、最多出演を誇る「ATG映画」との関わりから、藤田敏八、鈴木清順、若松孝二など名監督たちとの仕事、そしてテレビドラマなどについてつづった記事が掲載されている。さらに同月に亡くなった、「日本沈没」などのSF小説家・小松左京氏や、5月に亡くなった『花と蛇』原作などを手掛けた官能小説の第一人者・団鬼六氏の追悼ページも。日本映画界に多大な影響を与えた故人をしのぶ号となっている。(編集部・入倉功一)
映画雑誌「映画秘宝」10月号 バイオレンス・アクション大百科 洋泉社刊は発売中(税込み:1,050円)