超美人!ナタリー・ポートマンにアカデミー賞をもたらした『ブラック・スワン』のバレエコーチを直撃!
華麗なるバレエの世界に生きるバレリーナの苦悩と狂気を描いたサイコスリラー『ブラック・スワン』のDVD&ブルーレイが9月7日にリリースされた。主演したナタリー・ポートマンは現実と悪夢の狭間をさまようヒロインを見事に演じきり、アカデミー賞主演女優賞に輝いたが、そんな彼女にバレリーナとしての基礎指導をしたメアリー・ヘレン・バウアーズに直撃取材した。
32歳になるメアリーは、16歳からニューヨーク・シティ・バレエ団に10年間在籍。同団が2004年に東京公演を行った際には来日したこともあるバレリーナだ。「ナタリーのトレーニングは、2008年10月、映画撮影が始まる1年前から始めました。週5~6日、1日2時間程度で、朝6時から2時間のトレーニング。30分のストレッチとエクササイズの後、バレエのテクニックと振付のレッスン。撮影の半年前になった時点でハードなプログラムに変えました。週6日、1日5時間。朝ワークアウトして、夜にはジムのプールで毎日1マイル(約1.6キロメートル)を泳いでいました。この過酷なトレーニングでナタリーはスタミナがつき、余裕を持って演技に取り組むことができたと思います」。
13歳までバレエを習っていたというナタリーだけに、トレーニングを始めたとたんに、たちまちカンを取り戻したようだ。「本当に彼女はいい生徒でした。朝のトレーニングの後に、別の作品の撮影で1日12時間ぐらい労働していたんです。その後、またジムで泳ぐ。本当に過酷な日々だったと思います。でも、そのストイックな生活のおかげで、ナタリーは自然にバレリーナのライフスタイルを身に付けました。もっとも彼女はバレリーナに必要な自分を厳しく律することができる固い意志を最初から持ち合わせている人ですね」。
バレリーナは独特な歩き方をする。ナタリーもしっかりマスターしていたが……。「アハハハハ! アヒルのような歩き方ね。普通の人の場合はお尻を振って歩くけれど、バレリーナはいつも足を開き気味にしているから、そうなってしまう(笑)。ナタリーはトレーニングしたこともあるだろうけれど、役づくりの一部としても身に付けたのではないかしら」。
そんなプロのバレリーナの目に『ブラック・スワン』はどう映ったのだろうか? 「この映画はスリラーだから、現実と違うことは当たり前。でも、踊る前に靴を柔らかくしたり、体をほぐしたり。美しいバフォーマンスの裏側にどれだけの努力が注ぎこまれているか。普通の人々が知らないバレリーナの日常を非常にうまく捕えていると思います。わたしが気に入ったのは、ニナが役を射止めたときに、トイレから母親に電話するシーンです。わたし自身も、ニューヨーク・シティ・バレエ団に招かれると決まったとき、トイレから父親に電話しました。仲間に気遣うことなく話ができる場所なんです。そんなふうに共感できる部分がたくさんありました」。
現在はニューヨークのソーホーで「Ballet Beautiful」という名のパレエを中心としたフィットネススタジオを主宰しているバウアーズ。エクササイスの中には、『ブラック・スワン』で使われたパフォーマンスもある。「上半身を鍛え、姿勢を美しく保つことでもシェイプアップ効果もあるんです」。興味ある方は、Ballet Beautifulのウェブサイトをチェックしてみては。オンラインで教えるクラスもある(http://www.balletbeautiful.com)。(取材・文:前田かおり)
■メアリー・ヘレン・バウアーズ プロフィール
1979年米・ノースカロライナ州生まれ。16歳から10年間ニューヨーク・シティ・バレエ団に所属。退団後、バレエをベースにしたフィットネスなどを教える「Ballet Beautiful」を主宰している。
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