宮崎あおい&堺雅人共演「ツレうつ」は、最高のロマコメ映画!「篤姫」コンビの夫婦芸に泣き笑うべし!
今秋に公開される宮崎あおい、堺雅人共演の映画『ツレがうつになりまして。』を、ロマンチック・コメディーとして、検証してみた。うつ病という重いテーマを扱っている本作を、ロマンチック・コメディーと呼ぶのには、異論の声も上がりそうだが、今一度「ロマンチック・コメディー」の定義を考えつつ、本作について考えてみたい。
ハリウッドでは、老若男女から圧倒的な人気を誇り、毎年数多くの作品が生み出されているロマンチック・コメディーという映画ジャンル。どんなに気分が落ち込んでいても、ロマンチック・コメディーを観て、泣いたり笑ったりすれば、映画館から出るときには、晴れやかな気持ちになっている。そんなビタミン剤のような役割を果たしてくれるのが、ロマンチック・コメディー最大の魅力。また、明るくて前向きなヒロインは、ロマンチック・コメディーに必要不可欠な存在で、何があってもめげないヒロインの姿は、ポジティブなパワー、時には人生の教訓をも与えてくれる。
「ツレうつ」で宮崎演じるハルさんも、最愛の夫(ツレ)が突然うつ病と診断されてしまっても、決して悲観的にはならないしんの強さを持ったキャラクターとして描かれている。ツレを追い詰めるような余計な励ましは決してしないが、一緒に落ち込むわけでもない。ふとんにくるまって出てこない夫を、「亀さんみたい……」と独特のユーモアでほほ笑ましい姿へと変えてしまう。本作も、宮崎がロマンチック・コメディーならではの明るくて前向きなヒロインを演じ、観客にポジティブなパワーを与えてくれるのだ。
また、リチャード・ギアとジュリア・ロバーツが映画『プリティ・ウーマン』を映画史に残る名作として作り上げたように、トム・ハンクスとメグ・ライアンが映画『めぐり逢えたら』に続き、『ユー・ガット・メール』で再び共演する名コンビとなったように、ロマンチック・コメディーでは、カップルを演じる二人の相性も重要なファクター。その意味では、大河ドラマ「篤姫」で相性の良さを実証済みの宮崎と堺の再共演は、申し分ない組み合わせだ。
明るくて前向きなヒロインに、名コンビの再共演とロマンチック・コメディーのツボをきっちりと押さえた本作。「病気が題材の映画はちょっと……」なんて人も、食わず嫌いをせずに劇場に足を運んでみれば、宮崎と堺が生み出した温かな夫婦像にほっこりとした気分にさせられてしまうはず。ハルさんとツレの夫婦の姿に、たくさん泣いて、たくさん笑って、最後にほっこりする、不思議な感覚を、ぜひ映画館で味わってもらいたい。(編集部・森田真帆)
映画『ツレがうつになりまして。』は10月8日全国公開