市川海老蔵、主演映画プレミアに登場!騒動謝罪し「命をかけて守りたいのは家族と歌舞伎」の言葉に拍手沸き起こる
26日、歌舞伎役者で俳優の市川海老蔵が、主演映画『一命』のレッドカーペット・セレモニー&完成披露試写会に同じく主演を務める瑛太、共演の満島ひかり、三池崇史監督と共に出席し「成田屋!」の掛け声が入り交じる拍手喝采(かっさい)を受けた。昨年11月に起きた飲食店での暴行事件を受けてしばらく謹慎していたが、今年7月には舞台に復帰、待望の第一子が誕生するなど最近は明るいニュースが続いていた海老蔵。この日騒動後初となる映画イベントでは、一連の騒動について「みなさまにはご心配をおかけして、申し訳ございませんでした」と謝罪した後、映画にちなみ「命をかけて守りたいのは家族と歌舞伎」と語り、会場から拍手が沸き起こっていた。
本作は滝口康彦の小説「異聞浪人記」が原作。かつて1962年に小林正樹監督、仲代達矢主演で『切腹』というタイトルで映画化され、翌1963年にはカンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞している。今回の三池監督版は時代劇としては初となる3Dで製作され、今年の第64回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。海老蔵演じる元芸州広島・福島家家臣の浪人・津雲半四郎と、瑛太演じる千々岩求女の2人の侍が、生活に困窮しながらも愛する者のために武家社会に立ち向かっていく姿を描くヒューマンドラマとなっている。
江戸時代初期の貧しい武士を演じた海老蔵は、本作について「とてもいろんなことを感じていただける映画です」とアピール。撮影現場を振り返り「三池監督が、スタッフから絶対の信頼を受けていたのが印象的だった。その中に参加させていただきありがたかったです」と三池組の感想を語った。
また、劇中で海老蔵ふんする半四郎の義理の息子・求女を演じている瑛太は、上映前のあいさつで「客席にもう3Dメガネをかけている方がいますが、今はまだ3Dになっていませんよ」と出だしからユーモラスなコメントで客席を沸かせた。そして、「(劇中のキャラクターのように)命をかけて守りたいものは?」と聞かれると「やっぱり家族です。(愛する妻のためにすさまじい行動を起こす)求女役はシンプルに共感できました」と求女役を自身と重ね合わせながら演じた様子だった。
そして半四郎の娘で求女の妻・美穂役の満島は、同様に命をかけて守りたいものについて「わたしは、生まれながらに持っている自分の本能。人としても、お芝居をしているときも本能を失いたくないです」と実力派女優らしいひねりのきいたコメント。そして完成作について「(観て)とても感動しました。全身を洗い流されるような、純粋な気持ちになることができる作品でした」と笑顔でPRしていた。
『一命』はエグゼクティブプロデューサーを『おくりびと』の中沢敏明と『戦場のメリークリスマス』『ラストエンペラー』のジェレミー・トーマスが務め、音楽を坂本龍一が担当した3D時代劇。井伊家家老・斎藤勘解由役をベテラン俳優の役所広司が務めている。(古河優)
映画『一命』は10月15日より全国公開