素朴なギモン!FBIとCIAって仲が悪いの?「ホワイトカラー」知的犯罪捜査アドバイザー元FBIエージェントに直撃!
「24」「プリズン・ブレイク」など人気ドラマを世に送り出してきた20世紀フォックスの新たなテレビドラマ「ホワイトカラー “知的”犯罪ファイル」の主人公ニール・キャフリー(マット・ボマー)はFBI(アメリカ連邦捜査局-Federal Bureau of Investigation)の知的犯罪コンサルタントとして活躍するが、実際そのような仕事はあるのか元FBIのエージェント、トム・バーデン氏に話を聞いた。
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はにかんだ笑顔がすてきなナイスガイのバーデン氏は、FBIで21年間捜査官として働き2008年に退職した優秀な元ベテランエージェントだ。「ホワイトカラー “知的”犯罪ファイル」のピーター・バーク捜査官に容姿も話し方もそっくりで、彼がピーターのモデルだったのかもしれないが、これについては製作者に確認がとれなかった。しかし、バーデン氏は元犯罪者をコンサルタントにするようなことはFBIでは一切しないとキッパリ言い切った。「僕らは、FBIでニール・キャフリーのような人物をすごくたくさん取り扱ってきた。だけど、強調したいのは、FBIは絶対にニール・キャフリーのような人物と一緒に捜査をするというようなことはないということ。それから、FBIの一部でもあるアメリカ合衆国司法省は、引退したFBIエージェントが、情報をその後どのように扱うのかについての非常に厳しい規則があるんだ」と自身の立場についても明かした。
また、FBIとCIA(アメリカ中央情報局-Central Intelligence Agency)はたびたびアメリカのドラマや映画に登場するが、犯罪ドラマ初心者にとっては区別がつきにくい、そんなかなり初心者的な質問にもいやな顔ひとつせず「FBIは主に国内の事件を扱い、CIAは主に国際犯罪を扱うことだと思う。だけど、9月11日以降は、FBIがよりCIA的になり、CIA とより親密に仕事をするようになったんだ。すべての警察機関ともね。大きいものから、小さいものに至るまで、国内、国外を通してね」と911からはその役割に変化があったことを明かした。
またテレビドラマや映画ではFBIとCIAが縄張り争いのようなケンカをしているシーンをよく見かけるが、実際二つの組織は本当に仲が悪いのだろうか。「実際は、メディアに描かれているほど仲が悪いわけではないよ。僕らは、つまるところテロやそのほかのことから、国と世界を守るという同じ使命を持っているもの同士なわけだからね。それに、それが小さい事件から、大きい事件まで、お互いが持っている情報を分け合うことは非常に重要なんだ。その情報を分け合うことが一番大事で、例えばニューヨークで捜査しているFBI捜査官の持っているパズルのひとつのピースが、もしかしたら地球の反対側で捜査している捜査官にとって非常に大事な情報だということはあり得るからね。だからお互いが、情報を提供し合うことは非常に大事なんだ」と言葉を選びながらも二つの組織が協力関係であることを明かした。
ドラマ「ホワイトカラー」は猟奇殺人やサイコな犯人が続々と出てくるような最近の犯罪ドラマとは一線を画しており、あくまでも犯罪の種類は“知的”なものだ。実際このドラマのような知的犯罪はかなりリアルに描かれているらしく、「ホワイトカラー犯罪の中で、証券取引ねつ造について扱った回があるんだ。それは僕がほかの捜査官と一緒に実際に経験したものに非常に近いんだよね。自分が監修したものや、または実際のユニットとして捜査したものとね。そのエピソードの中での、犯罪者がどのようにそれを仕組んだのかと、それに対して捜査官がどう行動したのかが、自分の扱った事件と非常に似ていて、非常にリアルに描かれていたんだ」と具体的な内容は退官した今でもさすがに語れないと前置きした上で大筋でリアルであることを教えてくれた。
また、FBIの知的犯罪捜査班は頭脳も優秀な人材がそろっているらしく、法律か、公認会計士の資格を持っている捜査官も多いという。バーデン氏自身、経営学修士を修了しているらしい。「FBI捜査官は非常に幅広い専門・特技を持つ人達で形成されている。人によっては宝石業関係者であることもあれば、アートに関する非常に深い知識を持っている場合もある、何か国語も話せる人はたくさんいるし、僕は、FBI捜査官たちの持っている才能には、本当に驚かされるばかりだった。とりわけ、自分が引退に近付いたころに入ってくるような人たちはショックを受けるほど素晴らしかったよ。僕が今受験していたら、FBIには絶対に入れていなかったと思うよ(笑)」と謙遜しながら語った。
「ホワイトカラー “知的”犯罪ファイル」はニューヨークを舞台に元犯罪者のニール・キャフリーがFBI捜査官ピーター・バーク(ティム・ディケイ)とコンビを組んでさまざまな知的犯罪を解決していくドラマ。血なまぐさいバイオレンスは極力排除され、スタイリッシュでスマートな展開は一度観ると病みつきに。ニールが恋人の謎の失踪の真相を追ううちに見えてくる陰謀もミステリアスで、サスペンスドラマとしても回を重ねるごとにスリリングに展開していく。ニールとピーターという対照的な人物の掛け合いとコントラストが絶妙で、さまざまな隠し味が観るほどに効いてくるユニークな犯罪ドラマだ。(編集部・下村麻美)
ドラマ「ホワイトカラー “知的”犯罪ファイル」
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発売元:20世紀フォックス ホームエンターテイメント ジャパン