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ブラピもライオン・キングもごぼう抜き!イルカの大ジャンプ映画『ドルフィン・テール』トップへ! -10月3日版

全米ボックスオフィス考

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みんなハッピー! -映画『ドルフィン・テール(原題) / Dolphin Tale』のカリフォルニア・プレミアに出席したキャスト、スタッフ陣
みんなハッピー! -映画『ドルフィン・テール(原題) / Dolphin Tale』のカリフォルニア・プレミアに出席したキャスト、スタッフ陣 - Eric Charbonneau / WireImage / Getty Images

 先週初登場第3位だった映画『ドルフィン・テール(原題) / Dolphin Tale』が、先週トップの映画『ライオン・キング/ディズニー デジタル3D』を引きずり下ろし、第2位だった映画『マネーボール』を飛び越えて全米映画ナンバーワンとなった。1,391万ドル(約11億1,280万円)をたたき出した本作は、先週から27.4パーセントの興収減となったものの封切り後10日の時点で3,720万ドル(約29億7,600万円)と、こういったジャンルの作品にしてはなかなかの成績である。(1ドル80円計算)

今週第2位の映画『マネーボール』場面写真

 第2位は、足踏み状態となった『マネーボール』の1,203万ドル(約9億6,240万円)。第3位から上がってきたファミリー映画に、追い越されてしまった。公開以来、往々にして映画『ソーシャル・ネットワーク』の売り上げと比べられている本作であるが、2週目の成績を比べると『ソーシャル・ネットワーク』は31.2パーセントの降下率だったのに対し、『マネーボール』は38.3パーセントとなっており、息の長さでは『ソーシャル・ネットワーク』に軍配が上がるのではとささやかれている。

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 2週連続トップから第3位に落下したのは、『ライオン・キング/ディズニー デジタル3D』で1,062万ドル(約8億4,960万円)。オリジナル版の収益も合わせると驚異の4億ドル(約320億円)突破という成績を上げているこの作品は、映画『スパイダーマン』をけ落とし、歴代最も売れた映画のトップ10入りを果たした。このことはディズニーが6年連続で、大台の10億ドル(約800億円)収益をたたき出した結果にもつながっている。

 第4位は映画『カレジャス(原題) / Courageous』で906万ドル(約7億2,480万円)。無名の俳優がキャスティングされたこの映画はどこからともなく現われた感があるが、実はハリウッド映画のシステムから離れて作られた“クリスチャン映画”と呼ばれる分野である。キリストのことを全面に出して諭したりするような映画ではないが、ある主役となるファミリー(今回は警察官のファミリーが軸になる)が信仰の力と家族の愛を糧に試練に立ち向かい、最後は困難に打ち勝つというのが基本ストーリーである。

 2008年に封切られた同ジャンルの映画『ファイアー・ストーム』は消防士の夫婦が主人公だったが基本的に同じパターンのストーリーで、製作陣もシャーウッド・ピクチャーズという同じプロダクション会社である。クリスチャンが多いとされるアメリカで、「普通のハリウッド映画などバチあたりで到底観られない」というような敬けんなクリスチャンでも、映画館に足を運ぶ可能性は大いにある。

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 ポスターだけではクリスチャン映画とは思えない様相で、内容も一般映画ファンがとっつきやすいようにアクションやロマンスなどがほどよく混ざっている。国の人口過半数に共感を得られるような方程式でさりげなくクリスチャンの教えを全面に出した作品という、このジャンルを専門に扱い出したシャーウッド・ピクチャーズは非常に賢いというのがちまたの評判である。

 今週トップ5の最後はボックスオフィスの結果発表ギリギリまで『カレジャス(原題) / Courageous』と接戦を強いられて結局第5位に甘んじることになった映画『50/50 フィフティ・フィフティ』で864万ドル(約6億9,120万円)。2,458館での公開にもかかわらずこの成績は、これまでのセス・ローゲン出演デビュー作品の中で最低。末期のガンを宣告された青年とその親友を主人公にしたこの映画、コメディーも混ざった勇気の沸く映画と銘打たれているが、やはり内容が内容だけに第5位止まりとなった。しかしアメリカの映画ファン・サイトによると平均A-という評価が発表されており、これからクチコミでジワジワと人気を継続するというパターンも考えられる。

 さて次回のチャート予想だが、トップ5に食い込みそうな新作が2本。1本目は、ヒュー・ジャックマン主演映画『リアル・スティール』。格闘技がすべてロボットになった近未来で、元ボクサーとその息子がロボットを通じてきずなを深めていくという、映画『ロッキー』『トランスフォーマー』『スパイキッズ』をチャンコ鍋にしたような作品である。親子のきずなを全面に出している部分もあり、『トランスフォーマー』のようなものすごいバトル・アクションを期待して観に行くと肩透かしを食らう可能性もあるが、あくまでディズニー映画であるという点を踏まえていればかなり楽しめるのでは!

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 2本目の上位候補は、最近ノリに乗ってるライアン・ゴズリングジョージ・クルーニー共演の映画『ジ・イデス・オブ・マーチ(原題) / The Ides of March』。2004年のアメリカ民主党大統領予備選挙に立候補したハワード・ディーン氏の選挙スタッフだったボー・ウィリモンが同選挙にヒントを得て書いた戯曲を、ジョージが脚本・出演・監督を務めた力作。この2人が繰り広げる一騎打ちが見られるとあらば、最近では高額となった鑑賞券を買ってでも映画館に足を運ぶ価値は大いにあるといえよう。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)

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