「ドーハの悲劇」の裏にあったイラク選手への拷問の実態!サダム・フセインに「生まれたときに殺すべきだった」と言わしめた息子の物語が映画に!!
サダム・フセインの息子ウダイ・フセインの悪行が、来年1月13日に公開される映画『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』で明らかにされていることがわかった。ウダイは、父親であるサダム・フセインにさえ「生まれたときに殺すべきだった」と言わしめた人物。本作は、顔が似ているという理由で家族の命と引き換えにウダイの影武者とされたラティフ・ヤヒアが著した自伝「ザ・デビルズ・ダブル(原題) / The Devil's Double」を、ラティフの協力を得て、映画『NEXT -ネクスト-』のリー・タマホリ監督が映画化。影武者だからこそ知ったウダイの悪行の数々が、映画で暴かれることになった。
1993年10月28日、カタールのドーハにて行われた日本代表とイラク代表によるサッカーの国際試合。試合終了間際のロスタイムにイラク代表の同点ゴールが決まり、日本のアメリカワールドカップ・アジア地区最終予選敗退が決定したことから、「ドーハの悲劇」と呼ばれるようになったその試合の裏には、ウダイによるイラク選手への拷問があった。「もしイラク代表が日本代表に敗北していた場合、メンバーは全員鞭打ちの刑に処されることになっていた」と当時のイラク代表のメンバーが語っていたことは、有名な話だが、手足を縛り、歯を抜き、電気を流し、袋をかぶせた顔に流水を浴びせ、指をつぶし……。『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』には、「ドーハの悲劇」自体は描かれていないものの、イラクにおけるオリンピック委員長を務めていたウダイが、自国の成績不振のスポーツに対して行っていた拷問の実態が明かされており、「ドーハの悲劇」の裏にあったイラク選手の恐怖が浮き彫りになっているのだ。
ウダイの悪行は、スポーツ選手に対するものだけではない。10代前半の女子学生を拉致、結婚式当日の花嫁を誘拐して犯すなど、女性に対しても極めて非人道的な暴挙を行っていた。酒、女、ドラッグ、拷問、殺人……イラン・イラク戦争の裏にあった常軌を逸した人物の存在。『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』では、映画『マンマ・ミーア!』でアマンダ・セイフライドの相手役を務め注目を集めたドミニク・クーパーが、ウダイと影武者ラティフを一人二役で演じ、その人物像に迫っている。(編集部・島村幸恵)
映画『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』は2012年1月13日全国公開