コーエン兄弟、タランティーノ、深作欣二は神さま!奥田庸介監督『東京プレイボーイクラブ』釜山で上映!
10月8日、第16回釜山国際映画祭(BIFF)で『東京プレイボーイクラブ』が上映され、奥田庸介監督、主演の大森南朋、そして本人いわく「4番手の役柄」を演じる新人俳優の淵上泰史がティーチインに参加した。
『東京プレイボーイクラブ』の主人公は、ケンカ騒ぎが原因で地元を離れ、場末のさびれたピンクサロン「東京プレイボーイクラブ」に流れ着いた勝利。昨年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭で、自主映画『青春墓場~明日と一緒に歩くのだ~』がグランプリに輝き男泣きした、24歳の奥田監督の劇場デビュー作だ。
東京のアンダーグラウンドを題材としたことについて、自身の経験がベースとなっているのかという質問には「いなかから東京へ出てきて、危ないお兄さんがいる店にも行き、ぶん殴ったりぶん殴られたりしたものが、シナリオに反映されていると思う」と監督が返答。すると大森がすかさず「今はマジメに映画を撮っているから、温かく見守ってくださいね」とカバーし、いい兄貴ぶりを発揮していた。さらに、事務所の後輩である淵上の印象を問われた大森は、「とても頑張っていましたが、僕よりオダギリジョーにあこがれているそうです」と、時を同じくして釜山でプロモーション中の『マイウェイ 12,000キロの真実』チームを意識しつつ(?)暴露した。
女性陣のため息や歓声を誘う大森に対して、観客の興奮を肌で感じて終始ゴキゲンな監督は、シネフィルたちから質問攻めに。作品が『ファーゴ』や『キル・ビル』をほうふつさせると言われた際には、「あなたはすごく鋭い。サランヘヨ(愛しています)。コーエン兄弟、タランティーノ、深作欣二はおれの神さま。映画を撮る前は必ず観ます」と、満開の笑顔で明かした。また映画監督志望の学生から同志たちへのメッセージを乞われると、「自分のなかのトラウマやうっ屈した気持ちを、映画を通じて吐き出すことが唯一の生きる道だと思う。どんなに貧乏でも、やめたら元も子もない。満ち足りない気持ちを忘れずに、つくり続けてください」と真摯に語り、大きな拍手を浴びていた。(取材・文:柴田メグミ)
映画『東京プレイボーイクラブ』は、2012年2月より渋谷ユーロスペース、シネマート新宿ほか全国公開