インディペンデント系映画祭で数々の受賞!ホームレス男性と母親を亡くした女性の心情を描いた『ストレンジャー・シングス』
現地時間10月7日、ロンドンで開催中の第19回レインダンス映画祭で、エレノア・バーク&ロン・エイアル初監督映画『ストレンジャー・シングス(原題)/Stranger things』が上映された。本作は、アメリカのインディペンデント系映画祭などでさまざまな映画賞を獲得している。上映後、両監督と主演のブリジッド・コリンズ、相手役のアディール・アクタールが質疑応答した。
本作は、母親が亡くなり、空き家となった母の家を売却するため戻ってきた娘(コリンズ)と、その家に不法侵入していたホームレス男性(アクタール)の物語。細部を丁寧にすくい取る映像と、抑制の効いたストーリー展開で、画面に映らない、2人のこれまでの人生さえ浮かびあがる秀作だ。
見終わった後には、それ以外の配役が考えられないくらい、コリンズ、アクタールが自然だ。脚本も両監督によるものだが、「2人とは、以前にも仕事をしたことがあって、最初から念頭においてキャラクターを作ったの」とバーク監督は言う。自分のイメージから発展させたキャラクターが、ホームレスだったということになるアクタールだが、「この映画は、ゆっくりしたペースで進む。とても、いい意味でね。だから歓迎だよ。ほんとうに参加できてよかった」と笑う。アクタールは、クリストファー・モリス監督のコメディ映画『フォー・ライオンズ(原題)/ Four Lions』での間抜けなテロリスト役で注目を集めた俳優だ。BAFTA受賞他、高評価を得た『フォー・ライオンズ(原題)/ Four Lions』に続き、これも高評価の本作と作品に恵まれているようだ。
バーク監督はイギリス人だが、ニューヨークにベースを置いて活動している。そこで出会ったエイアル監督とは、公私共にパートナーでもある。厳密に言えば英米合作となる本作だが、イギリスを舞台に、イギリス人俳優が出演していることもあり、ベスト・イギリス作品賞にノミネートされている。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)