日本にも悪魔はいる!? オカルト研究家が語る日本のエクソシズムの実態とは!?
現在も行われているという、悪魔払い(エクソシズム)の最中に起きた恐怖をドキュメンタリータッチで描くホラー映画『ラスト・エクソシズム』が公開される中、作家でオカルト研究家の山口敏太郎氏が、名前だけは知られているが日本ではなじみの薄い悪魔払いの実態について語った。
本作は、悪魔払いのいんちきを暴こうする牧師が、映画の撮影隊と共に最後のエクソシズムに挑む姿を追う作品。彼らが遭遇する真実の恐怖が『パラノーマル・アクティビティ』のようなドキュメンタリータッチの映像で表現され、まるで現実に起きた出来事のような、リアリティーあふれる描写が注目を集めている。ただ、ウィリアム・フリードキン監督による映画『エクソシスト』(1973年)の大ヒットにより、存在自体は広く認知されているものの、キリスト教の概念による「悪魔」を払うエクソシズムを、日本で実際に目にした人は、ごくわずかしかいないだろう。
しかし、山口氏いわく、「日本でも悪魔という表現は使用されており、さまざまな悪魔払いの儀式も行われています」と日本でも、悪魔つきやエクソシズムに似たものが存在するとのこと。密教系の僧侶や、陰陽道(おんみょうどう)による悪魔払いなどがそれにあたるということで、当然悪魔の概念も、キリスト教圏とは異なるという。「海外の場合は怨霊や異教の神のことを悪魔と呼んでいますが、日本の場合は仏教に害をなす山の神や、てんぐを悪魔的な扱いをしたり、離島などの場合は、土着の神を魔神的に悪魔と呼ぶ場合もあります」と日本的な概念による悪魔の認識を解説する山口氏。ちなみに、「ゲゲゲの鬼太郎」などでおなじみの妖怪にも、憑依(ひょうい)した人物を犯罪に走らせる「通り悪魔」という存在が伝承されているそうだ。日本でも信じられないほど凶悪な犯罪などが報じられると、悪魔の所業と信じたくなる。
山口氏の証言の後では、もしかしたら自分も『ラスト・エクソシズム』のような恐怖を体験することになるかも……と考えてしまうところ。普段の生活において、悪魔に取り付かれないためには、どうすればよいのか? 山口氏は、悪魔とは「しょせんは人間の心の中で生まれたもの」と言い、まずは「自分の意識をしっかり持つこと」とアドバイス。「心労や病気の際にふさぎ込むと、悪魔と呼ばれる異常な存在が人間の中に芽生えるようです」と語り、「しっかりした人間の意志さえ持てれば撃退できるはず」と回答した。師走も近づき、忙しさにふと心がすさみがちなこの季節。悪魔に心のすきをつかれないよう心のケアに努め、さらに本作でその恐怖に打ち勝つ準備をしておくといいかもしれない!?(編集部・入倉功一)
映画『ラスト・エクソシズム』は新宿バルト9、シネマサンシャイン池袋ほか全国公開中