深津絵里の演技はオスカー級!三谷幸喜監督と西田敏行が大絶賛!!
三谷幸喜監督最新作『ステキな金縛り』で、深津絵里と共演した西田敏行が、本作でコメディエンヌとしての魅力を遺憾なく発揮した深津を「和製ナタリー・ポートマン!」と称し、オスカー女優クラスのその才能をたたえた。
落ち武者の幽霊が殺人事件の証人になるというユニークな設定の本作は、深津ふんするダメダメ弁護士のエミと、幽霊の六兵衛を演じた西田との掛け合いがなんとも愉快な、笑いあり、涙ありの三谷流法廷ミステリーだ。前作『ザ・マジックアワー』のときから、深津の中にコメディーの才能を見いだしていたという三谷監督は、「深津さんの子どもみたいな歩き方が面白くて、次の作品は深津さんを歩き回らせるコメディーにしたいと思ったんです。今回は、“弁護士のエミが法廷をウロウロ歩く”という設定がピッタリでした」と、深津のキャスティングが本作の決め手だったことを明かした。一方、深津自身は、「コメディーって本当に難しい。演じているときは、笑わせようなんて余裕は一切ない。エミの心情をしっかり見せることを心掛けていました」と撮影を振り返る。すると西田が、「それがコメディーの基本。演者が笑わそうと思って芝居をしてはだめなんですよ」とベテランならではの意見を披露した。
本作での共演で、深津のコメディエンヌぶりを目の当たりにした西田は、「深津さんは、真摯(しんし)に役として生きるだけで、あるときは笑いになるし、シリアスにもなる。映画『ブラック・スワン』のナタリー・ポートマンが演じたバレリーナを日本で演じられる稀有(けう)な女優さんだと思いました。白鳥と黒鳥の心情、どちらも表現できますよ!」と大絶賛。さらに三谷監督も、幽霊の六兵衛の言葉が聞こえない裁判長のために、エミが法廷で通訳をするシーンについて、「深津さんに西田さんのマネをしてしゃべってほしいと現場でリクエストをしたら、瞬時にやってくれるんです。あれはすごかった!」と深津の才能をベタ褒め。その言葉を受けた西田は、「あのときの深津さんは、映画『英国王のスピーチ』でヨーク公(コリン・ファース)に話し方を教えた先生(ジェフリー・ラッシュ)のようで、本当に素晴らしかった!」とこれまた絶賛。『ブラック・スワン』『英国王のスピーチ』と、昨年の米アカデミー賞に輝いた名作を引き合いに、深津の演技がオスカー級であることを熱弁した。
二人の称賛を受けて、「光栄です……」と照れくさそうに笑う深津を筆頭に、日本の映画界を代表する名優たちが個性豊かな役で登場する本作では、各俳優陣の熱演はもちろん、作品としての完成度もオスカー級!?「三谷映画史上、一番笑えて泣ける最高傑作」というコピーが事実であることを、ぜひともスクリーンで確認してもらいたい。(取材・文:斉藤由紀子)
映画『ステキな金縛り』は10月29日より全国公開