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来日中のヴィム・ヴェンダース、特別講義で130分熱弁!「3Dでロードムービー」と今後の構想明かす!

第24回東京国際映画祭

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幼少期から今後の展望まで、熱弁を振るったヴィム・ヴェンダース監督
幼少期から今後の展望まで、熱弁を振るったヴィム・ヴェンダース監督

 新作3D映画『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』を携え来日中のヴィム・ヴェンダース監督が26日、東京藝術大学で学生たちへ向けた特別講義を行った。これは主に美術学部の学生へ向けた特別講義で、ヴェンダース監督は自身の生い立ちから次回作に取り組みたい題材に至るまで、実に130分にわたって熱弁を振るった。

映画『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』場面写真

 ホール状の大教室で行われた特別講義は、通路に座り込む学生や立ちでの受講者も出る盛況ぶり。拍手で迎えられたヴェンダース監督は、美術学部の学生が出席者の大半であることを知ると、「わたしは映画監督になるつもりなんて全くなくて、本当は画家になりたかったんです。だから今日は失敗した画家が皆さんにお話します」と冗談で切り出し笑いを誘った。そして芸術を志す学生たちに共感や親近感を覚えたのか、多彩なエピソードを交え映画監督になるまでの道のりを語っていった。

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 子どものころに読んだ本で物語に親しみを持ち、父親の持っていた映写機で視覚的なイメージが生み出す力を知り、隣国オランダに好きな画家の絵を見るため自転車で旅に出た少年時代。そしてドイツに駐留する米国軍人のためのラジオ放送で「自分の好きな音楽を見つけた」と監督はいい、幼少期に体験した「物語・視覚イメージ・絵画・音楽」という4つの要素が、自分の創作の原点であるとした。

 また、作品にロードムービーも多い監督は「好きな場所にいると何かストーリーが沸いてきて、そこから映画が始まる」と場所や土地がインスピレーションの源になっていることを明かし、「それを“センス・オブ・プレイス”と言っていて、映画を作り始めて以来ずっと大事にしている」と監督ならではのこだわりを明かした。

 現在開催中の第24回東京国際映画祭特別招待作品である最新作『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』では、天才舞踊家ピナ・バウシュの残した作品やダンサーたちの姿を3D映画として描き上げたヴェンダース監督だが、「人間の幅や厚み、丸みといったこれまでなかった存在感を圧倒的に描くことができる」と初めて取り組んだ3D技術を高評価。今後も映画の歴史に生み出されたこの新技術に真っ向から取り組んでいきたいと語り、扱いたい題材としては「世界中の建築物」、そして「旅をしながら撮るのが好きなので、それを3Dでどう作るのかが次のわたしのステップ」と結び、新たな名作誕生に期待を抱かせ講義を締めくくった。(取材・文:長谷川亮)

映画『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』は2012年2月25日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9ほか全国順次3D公開
第24回東京国際映画祭は30日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内の各劇場などで開催中

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