セックス依存症の苦悩を描くイギリス映画『シェイム』が一気に賞レースに!今年度のBAFTAを制覇できるか?
今年のベネチア国際映画祭のコンペ部門で上映され、マイケル・ファスベンダーが男優賞を受賞し、10月12日から27日まで開催中のロンドン映画祭での上映も好評だったイギリス映画『シェイム(原題) / Shame』が、にわかに賞レースへのスピードを速めてきている。配給会社Momentum Picturesの最高責任者、ザヴィエル・マーチャンドは、Screen Dailyに「BAFTAの全カテゴリーへのノミネートを目指している」と話している。
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本作は、2008年に映画『ハンガー(原題) / Hunger』で長編デビューしたスティーヴ・マックイーン監督の新作。NYで活躍するビジネスマン、ブランドン(ファスベンダー)は、知的なイメージとは裏腹に、セックス依存症という問題を抱えていた。彼のアパートに、妹のシシー(キャリー・マリガン)が転がり込んできたため、いつもの調子が狂い、彼は欲望の対処に苦悩する。Sight & Sound誌のインタビューで、監督は「セックス依存症は、ドラッグやアルコールと同様の依存症で、肉体を苦しめるものだ」とテーマのシリアスさを語っている。また、ファスベンダーも同誌に「セックス依存症に悩んでいる人は、表向きの自分と本来の自分のギャップに苦しむ、まるでジキル博士とハイド氏のようだ」と自身が演じた役柄の複雑さを伝えている。
内容が内容なだけに、レーティングが懸念されるところだが、マーチャンドがScreen Dailyに語ったところによれば、「題材が多少問題になるかもしれないが、作品自体は傑作だし、BAFTAのメンバーも理解してくれるだろうと願っている」とのこと。イギリス国内での公開日は、来年1月13日に決定している。(鯨岡孝子)