西島秀俊は『あしたのジョー』力石を超えた?伊勢谷友介が監督第2作の見どころを語る!
第24回東京国際映画祭
27日、俳優・伊勢谷友介の監督第2作となる映画『セイジ -陸の魚-』が開催中の第24回東京国際映画祭で特別招待作品として上映され、TOHOシネマズ六本木ヒルズで監督の伊勢谷と主演の西島秀俊が舞台あいさつを行った。
映画『セイジ -陸の魚-』は、『カイジ2~人生奪回ゲーム~』『あしたのジョー』などで活躍する俳優の伊勢谷が、2003年の『カクト』以来、8年ぶりにメガホンを取った監督第2作。辻内智貴のベストセラー小説を原作に、旧道沿いのドライブインの店主セイジを西島が、学生最後の夏休みをドライブインで働くことになる「僕」を森山未來が演じ、伊勢谷監督が映し出す自然美あふれる景色の中で繊細な人間ドラマを展開している。
舞台あいさつに先立ち行われた会見で、伊勢谷監督は「傷ついた人たちがどう次のステップへ行くのかを描いた作品」と本作を解説。監督第1作から8年のインターバルが設けられることになり、その間には俳優としてのキャリアはもちろん、環境問題に目を向け自ら立ち上げた「REBIRTH PROJECT リバース・プロジェクト」の活動にも取り組んでいた。本作について、伊勢谷監督は「そういった、たくさんの経験が監督をする上で有効だった」と満を持しての制作だったことを明かした。
舞台あいさつでは主演の西島を「難しいシーンでもサラっとやってしまう」と絶賛した伊勢谷だが、西島はこれを横から「ウソです」と即座に笑顔で否定。「ハードルの高い役だった」と監督に感じさせなかった演技上での苦労を語る、一方で「外から見て演出するのではなく、俳優と一緒に役を作っていく、全部の役に愛情を注いで作っていく監督」と伊勢谷の演出を評価していた。
また西島は「徹底的に体を絞って脂肪を落とし、全く人と話さないで撮影していました」とセイジを演じる上での役づくりを明かしたが、これを伊勢谷も「脂肪がないのは『あしたのジョー』で僕のお株と思っていたけど、西島さんは本当に脂肪がなくてビックリしました。そこも見どころの一つです」とジョークも交え、「本当に気に入っている」という自身の第2作をアピールしていた。(取材・文:長谷川亮)
映画『セイジ -陸の魚-』は2012年2月18日よりテアトル新宿ほか全国公開
第24回東京国際映画祭は30日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内の各劇場で開催中