『フラガール』シリーズ第3弾へ!ジェイ・シネカノン代表が在日韓国人2世として日本への思いと共に明らかに
29日、新宿ピカデリーで映画『がんばっぺ フラガール! ~フクシマに生きる。彼女たちのいま~』初日舞台あいさつが行われ、本作のエグゼクティブプロデューサーを務めたジェイ・シネカノンの丁廣鎮代表が出席し、『フラガール』の新作を構想中であることを明らかにした。この日はほかに、本作に出演するフラガール、主題歌「100万回の『I LOVE YOU』」を歌うRAKE、そして小林正樹監督も登壇した。
福島県いわき市の大型レジャー施設「スパリゾートハワイアンズ」の専属ダンスチーム「フラガール」の東日本大震災後の復興支援活動を追った本作。「一刻も早く観てもらいたい」という熱い思いもあり、10月1日のクランクアップからわずか3週間という急ピッチで製作が進められ、早くも初日を迎えることとなった。会場には、いわき市をPRするキャンペーンガール・サンシャインガイドいわきが観客をお出迎え。さらにこの日は、フラガールがフラダンスを披露したり、RAKEが本作主題歌「100万回の『I LOVE YOU』」の生歌を披露したりと、さまざまな趣向が施され、会場は華やかな雰囲気に包まれた。
そんな本作を公開にこぎつけた丁代表は「皆さん、映画をご覧になってください。そして最後には次回作についての思いが映し出されますので、最後まで席を立たないでいただきたいのです。そこにある通り、今回のドキュメンタリーの次となる第3弾は、ストーリーとしての『フラガール』を作るつもりです。そのときはご支援をお願いします!」と『フラガール』の新作を構想中であることを観客に向けて明らかにした。丁代表の本作にかける思いは非常に強いようで、「『スパリゾートハワイアンズ』の斉藤(一彦)社長が、私のところに来て、助けてほしいというところから話は始まりました。名前からもお分かりの通り、私は在日韓国人2世です。ですから私にとって日本は第2の故郷です。日本においての在日韓国人(と日本人と)の共生において、日本を応援しないといけないなと思いました。もちろんわれわれもこれまで、金銭・物資の面で援助はしていきました。しかし映像の分野でも(援助を)やらないといけない。だから今回は『フラガール』をやろうと思いました」と本作を生み出した思いを切々と語った。
本作のメガホンをとった小林監督は「ご覧のようにきれいな方が大勢いるわけで、その中に僕が一人カメラを持って中に入るわけです。まるで女子高に放り込まれた男子校の生徒みたいで、あまりにも針のむしろだなと。そんなとき、みなさんが『監督、白くまアイスを食べますか』と言ってくれて。いい思い出でしたね」と冗談交じりに撮影を振り返った。そして「映画という形で世界の方に観てもらい、日本の福島の現状を海外に知ってもらいたい。そして日本の方にはこれを観たらスパリゾートハワイアンズにいってもらいたい。それが福島の支援になると思うので、よろしくお願いします」と観客に呼びかけると、会場からは大きな拍手が起きていた。
本作は、福島県いわき市の大型レジャー施設・スパリゾートハワイアンズのフラガールたちにスポットを当てるドキュメンタリー。東日本大震災による大きな被害を受けた同地で、スパリゾートハワイアンズの営業再開と踊りで笑顔を届けようとするフラガールたちをカメラが追う。映画『フラガール』で主演を務めた蒼井優がナレーションを担当する。(取材・文:壬生智裕)
映画『がんばっぺ フラガール! ~フクシマに生きる。彼女たちのいま~』は新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国公開中