水野美紀、婚約した園子温監督と神楽坂恵を祝福!園監督「わたくしの『恋の罪』でお騒がせしてすみません!」
2日、映画『恋の罪』の完成披露報告会がオーディトリウム渋谷にて行われ、水野美紀、冨樫真、神楽坂恵の3人の主演女優たち、そして園子温監督が出席。水野は、先月婚約を発表したばかりの神楽坂と園監督に笑顔で拍手を送って祝福した。
本作は、1990年代に渋谷区円山町ラブホテル街で実際に起きた、エリート女性殺人事件からインスパイアされて作られたサスペンスドラマ。刑事・和子(水野)がラブホテル街で起きた謎の猟奇殺人事件を追ううちに、大学のエリート助教授・美津子(冨樫)と人気小説家を夫に持つ清楚(せいそ)で献身的な主婦・いずみ(神楽坂)の驚くべき秘密に触れ、引き込まれていくさまを描く。3人の女優たちがそれぞれ、表と裏の顔のギャップがすさまじい難役に挑み、フルヌードも辞さない体当たり演技を披露している。
幸せな家庭がありながら愛人もいる女刑事・和子にふんした水野は、「園組の現場はエネルギーが高くて、集中して演じることができました。今回演じた和子は、母親であると同時に不倫もしているけれど、特別な人という感じはしなかった。でも、いろいろと取材を受ける中で、女性インタビュアーの方は和子の生き方を特に不思議だとは感じていないのに、男性インタビュアーさんからは『役づくりは難しかったのでは?』とよく言われて。男女で(キャラクターへの理解度が)はっきり別れていたのが印象的でしたね」と今回演じたヒロインへの反応が、男女で大きく異なっていることをサバサバした表情で語っていた。
また、トーク中に司会者から、神楽坂と園監督が婚約したばかりであることを告げられると、登壇者やマスコミ陣から2人に拍手が沸き起こった。祝福を受けた園監督は「わたくしの『恋の罪』でお騒がせしてどうもすみません!」とユーモラスにコメントして場内を笑いに包んだ。そして本作について「女性ならではの、社会、家庭、性の抑圧が中心となる映画にしようとした。日本における、女性特有の抑圧と解放の物語です」と説明した。
一方、そんな園監督の伴侶となった神楽坂はこの日、白い清楚(せいそ)な和服姿で登場。「このたび、園子温監督と婚約いたしました。『冷たい熱帯魚』と『恋の罪』という素晴らしい作品を通して、人としても、女優としても成長させていただきました。園監督はとても尊敬・信頼できる方で、こうやってめぐりあったことをうれしく思っています」と幸せいっぱいの表情でコメントした。
そして最後には、映画のテーマだという「ようこそ、愛の地獄へ」になぞらえ、映画の舞台となった円山町にあるこの劇場で、全員で愛の地獄の門のテープカットを行い、華やかに報告会を締めくくった。
『恋の罪』は、映画『愛のむきだし』(2009年公開)で第59回ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞やカリガリ賞を受賞、『冷たい熱帯魚』(2011年公開)が第67回べネチア国際映画祭オリゾンティ部門に正式出品され、世界的にも評価の高い鬼才・園監督が監督・脚本を務めた作品。渋谷円山町ラブホテル街の事件にかかわった3人の女たちの生きざまがSEXや狂気、生と死、家族を通して壮絶に描き出される。第64回カンヌ国際映画祭をはじめ数々の国際映画祭から招待され、また、すでにイギリスとアイルランドで上映されたほか、今後も台湾、韓国、香港、マカオ、ドイツ、フランス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ギリシャ、イタリアなど、現在30か国以上の国での公開が続々と決定している。(古河優)
映画『恋の罪』は11月12日よりテアトル新宿ほか全国公開