ブラッド・ピット、東北の野球少年たちと対面「日本の皆さんの頑張り、粘り強さに影響を受けた」
ハリウッドの超大物スター、ブラッド・ピットが、9日に東京国際フォーラムで行われた主演最新作『マネーボール』のジャパンプレミアで舞台あいさつに登壇し、東日本大震災の被災地・東北の野球少年10人に自らサインを記した「希望のボール」を贈る贈呈式を行った。一人一人にボールを渡し終えたブラピは「被災された方々のことを思うと胸が痛みますが、日本の皆さんの頑張り、粘り強さにわたしたちは深く影響されました。エンターテインメントに関わるわれわれが(映画を通して)少しでも癒やしの時間を提供できれば」と真摯(しんし)な表情で日本人にメッセージを送った。
パートナーのアンジェリーナ・ジョリーを伴って大歓声の中レッドカーペットを歩いた後、その興奮が冷めやらぬまま、今度は1人で舞台あいさつに立ったブラピ。「日本に来ることができでとてもうれしい。『マネーボール』は4年かかって完成した作品で、気に入っていただけると思います」とまずはにこやかにあいさつ。
本作で弱小メジャーリーグ球団を独自の理論で常勝チームへと導いた実在のゼネラルマネージャー、ビリー・ビーンを好演し、製作にも名を連ねたブラピは「主人公を演じるのは難しいかと思ったけど、4年間(主人公のモデルとなった)ビリーと接していてお互い気が合ったんだ。彼のストーリーを公平に伝えることができたと思うよ」と仕上がりに自信を見せた。そして、今作がアカデミー賞ノミネートの呼び声が高いと言われていることについて「うれしいことではあるけど、映画を作るときはとにかくいい作品で、今の時代に合うメッセージがあるかどうか考えているだけなんだ。賞についてはあまり考えていないよ」と控えめにコメントした。
そして、今回家族全員で来日したブラピは、作品にちなんで「ファミリーで野球をするならどのポジション?」と聞かれると「今の状態では(野球をするのは)一人足りないね。僕だったらショートストップかな。アンジーはどのポジションかって? 僕が決めることではないので、彼女に聞かないとダメだよ(笑)」とちゃめっ気たっぷりに答えていた。
『マネーボール』はマイケル・ルイス原作のノンフィクションを、映画『カポーティ』のベネット・ミラー監督が実写化したヒューマンドラマ。若くして貧乏球団アスレチックスのゼネラルマネージャーとなったビリー・ビーン(ブラッド・ピット)が、これまでの野球界の常識を覆す理論を用いて、チームを常勝軍団へと導く過程を描く。フィリップ・シーモア・ホフマンやロビン・ライトなど実力派キャストが脇を固めている。(古河優)
映画『マネーボール』は11月11日より丸の内ピカデリーほか全国公開