石丸幹二主演で5年ぶりの上演!ミュージカル「ジキル&ハイド」が新キャストで復活!
15日、東京千代田区の東京會舘にて、ミュージカル「ジキル&ハイド」製作発表記者会見が行われ、ジキルとハイドの2役を演じ分ける石丸幹二、ハイドにひかれる娼婦(しょうふ)ルーシー役の濱田めぐみ、ジキルの婚約者・エマ役の笹本玲奈が劇中そのままの姿で登壇し、代表的なナンバー2曲を披露した。
本作の原作は、「宝島」などで知られるロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説「ジキル博士とハイド氏」。医師として理想を追い求めるジキル博士だが、自分の中で分裂するもうひとりの人格・ハイドを抑えきれずに苦悩する姿を描いている。本作は、その小説を基に、ミュージカル「ボニー&クライド」のフランク・ワイルドホーンが作曲を手掛けた作品だ。1990年の初演以来、1997年度トニー賞では各部門にノミネートされ、特に劇中のナンバー「時が来た」は、1992年のアルベールビル冬季オリンピック公式テーマ曲としても採用されている。
会見では、この「時が来た」を石丸がダイナミックに熱唱。ジキルが自ら人体実験を決意したときに歌うナンバーに、会場からは感嘆が漏れた。ニューヨークで本作の初演を観たという石丸は、「ジキル役は、歌の力と演技力の伴った俳優がやるもの。いつか自分もそうなれたらいい」と感じながら劇場を出たそうで、今回キャスティングされたことには、「まさに『時が来た』」と笑顔。二面性を演じ分ける難しい役柄については、「人間にはいろいろな面がある。演じがいのある役です。特に二面性を混濁しないように気を付けたい」と意気込みを語っていた。
その石丸演じるジキルとハイドの二面性を、別方向からそれぞれ愛するエマ役の笹本と、ルーシー役の濱田は、デュエット「その目に」を披露。二人のジキル(ハイド)に対する恋心を歌った曲だ。いわばライバル関係にあたる役を演じる二人だが、息の合ったハーモニーを聞かせた。
エマ役の笹本は、以前石丸と共演した際、「(石丸に)それはもうひどい捨てられ方をされた」役だったと恨み節。「でも今回は婚約者に昇格してよかったです」と笑いを誘うも、「一から役づくりするつもりで頑張っていきたい」とまじめな面持ちで語った。また、ルーシー役の濱田は、「ルーシーがハイドにひかれるのは共感できる。人間誰しも持っている影の部分は、ルーシーも持っていて、それが傷になっている。その部分を出していきたい」と明かした。
こうした女優に囲まれて、「お二人ともいいエネルギーをくださいます」とうれしそうに石丸。「新しいメンバーで、新しい魅力をお届けしたいと思っています。ぜひご覧ください」と強力な布陣で上演される本作をアピールした。
ミュージカル「ジキル&ハイド」は、2001年以降4回にわたり、鹿賀丈史主演によって上演された作品。今回、主演の石丸、濱田、笹本とキャストを一新し、ニュープロダクションとしてよみがえらせた。演出は、第28回菊田一夫演劇賞を受賞した山田和也が担当している。(取材・文:尾針菜穂子)
ミュージカル「ジキル&ハイド」は2012年3月6日~28日に日生劇場、4月6日~8日に梅田芸術劇場メインホール、4月14日~15日に愛知県芸術劇場大ホールにて上演