ADVERTISEMENT

レイフ・ファインズを直撃!シェイクスピア作品で監督に初挑戦!

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
レイフ・ファインズ
レイフ・ファインズ

 映画『イングリッシュ・ペイシェント』や『ハリー・ポッター』シリーズなどでおなじみのレイフ・ファインズが、主演/初監督に挑戦した新作『コリオレイナス(原題) / Coriolanus』について語った。

レイフ・ファインズ出演映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』写真ギャラリー

 同作は、数々の戦場での功績によって勲章を受けたコリオレイナス将軍は、母(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)の勧めで執政官を目指すことを決意するが、これまで力づくで権威を振るってきたコリオレイナスに対して、さらなる彼の権力を恐れる市民は反逆して彼を追放してしまう。すると彼は、かつて宿敵だったオフィディアス将軍(ジェラルド・バトラー)のもとへと寝返り、彼を裏切った人々への復讐に燃え上がっていくというドラマ作品。シェイクスピアの悲劇「コリオレイナス」を、古代から現代に舞台を移して撮影した意欲作。

ADVERTISEMENT

 今回、レイフ・ファインズが監督することになった経緯について「以前に舞台でこの『コリオレイナス』を演じたことがあって、その際に(古代の)政治背景は現在にも十分置き換えることができることと、権威のある人々が(いつの時代にも)危機に陥ることはあると思ったのが、この映画化に繋がった理由なんだ。この戯曲は難しい作品と評判で、文脈によってはすごく理解し難いところもあるんだ」としばらく映画化を悩んでいたそうだが、最終的には「母親ヴォラムニアと子どもであるコリオレイナスとの衝突や、戦争を背景にした映像は映画に適していると思った。それに、(監督をしたのは)誰も僕以外に進んで監督をしてくれる人が居なかったからでもあるんだ……(笑)」と述べたレイフは、初監督作品ではあるが、演技派の俳優たちを見事に演出している。

 東ヨーロッパのセルビアの首都ベオグラードでの撮影について「まず、映画内ではストリート、兵士、戦車、そして上院本会議場を必要とする設定だが、シェイクスピアの作品の中でもあまり知られていない『コリオレイナス』の映画化、そして僕が監督/主演するため、全く商業的な要素がなく、予算さえ見込めなかったのが現実だったんだ。したがって、ルーマニア、ボスニア、モンテネグロなどの予算を削減できるロケーションをスカウトして、特にその中でもブカレスト(ルーマニアの首都)が候補に挙がっていたが、最終的には上院本会議場をほとんど無償で貸してくれるベオグラードで撮影することになったんだ。セルビアのベオグラードのプロダクションは非常に協力的で、すごく仕事がやり易かったよ」と語った通り、少ない予算でスケールの大きい作品を仕上げている。

ADVERTISEMENT

 これまで多くの優れた監督とともに仕事をしてきたレイフは、彼ら監督たちからどのような点を学び、この映画に活用したのか。「僕は映画監督の中でも、自分の作り上げたクリエイティブな世界に、一貫性を持っている監督に注目しているんだ。その中でも映画『太陽の雫』のイシュトヴァン・サボー監督、映画『スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする』のデヴィッド・クローネンバーグ監督、そして『イングリッシュ・ペイシェント』のアンソニー・ミンゲラ監督らが、特に詳細にこだわり、僕とも話し合いながら製作をしていく監督たちで、僕もそのような手法で撮影をしたいと思っていたんだよ。あとは、名作『アルジェの戦い』のように長編作品であるけれど、まるでドキュメンタリーのような雰囲気が漂う作品にも影響を受けていると思う」と明かした。

 映画は、多くの人々を嫌ってでも生き抜こうとするコリオレイナスを力強く熱演する俳優レイフ・ファインズと、そのコリオレイナスを客観的な視点で演出する監督のレイフ・ファインズが上手く融合した形で表現されている。さらにレイフを囲む、ヴァネッサ・レッドグレーヴやブライアン・コックス、ジェラルド・バトラーら演技派の俳優にも注目だ。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT