山崎まさよし、忌野清志郎さんに最後まで聞けなかったことを告白!「真相はあっちの方に持っていかれましたね」
2009年に死去したロック界のカリスマ・忌野清志郎さんが中心となり、2001年、2004年、2006年と3度にわたって大阪城ホールで開催された伝説のライブイベントの映画化『忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー ~感度サイコー!!!~』のライブと撮り下ろし映像に出演したシンガーソングライターの山崎まさよしが、あこがれの存在であり、多大な影響を受けたという清志郎さんの魅力について語った。
映画『忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー ~感度サイコー!!!~』写真ギャラリー
山崎は高校生のころ、清志郎さんがボーカルを務めたロックバンド・RCサクセションのコピーバンドをしていたというほど同氏の熱狂的なファンだという。特に影響を受けた点が、その独特の力強い歌声。繊細(せんさい)で透明感のある歌声が特徴的な山崎だが「清志郎さんぽくなるかと思って、ちょっとだけマネした時期がありました」と笑いながら告白。しかし「でもあの魂があふれるような声はなかなかね、マネしようにも難しいですよ」と断念したことを明かす。そしてもう一つ大きな影響を受けたのは、ド派手なメイクや衣装を施(ほどこ)してシャウトし、観客のハートをがっちりつかむパフォーマンスだそうで、「あの立ち居振る舞いやステージングは、やっぱりダントツですよね」と大絶賛。「清志郎さんのライブには、ショーっていう言葉がすごく当てはまる。それってやっぱり、お客さんに対してすごく大切なことだと思うんですよね」とプロ意識の高さに感銘を受けていたことを振り返った。
2001年のショーで、山崎は最も好きだという名曲「トランジスタ・ラジオ」をオリジナルアレンジで、しかも清志郎本人との共演で披露。終了後、自身のアレンジに対する評価が気になったようだが、どうしても聞けなかったと明かし「聞きたかったところですけど、『すいません』くらいしか言えなかった気がします」と苦笑い。「どう思われていたのか、真相はあっちの方に持って行かれましたね。でもそれもいいかなと思いますね」と穏やかにほほ笑んだ。
とてもシャイで柔らかいしゃべり方をする人というのが、素顔の清志郎さんに対する山崎の印象なのだそう。そして山崎自身も、清志郎の前ではシャイになってしまい、あまり会話ができなかったようで「一緒にいると、お互い何をしゃべればいいのかという感じになっていましたね。話したことと言えば『よろしくお願いします』とか『お疲れ様でした』とか『ギター何使ってるの?』とかです」と振り返る。それでも、清志郎さんが亡くなってからの2年間に、「もう2年もたつんですね。あっという間といえばあっという間かな。今もやっぱり寂しいですよ」とポツリ。「現在進行形で寂しいので、寂しングです」と笑顔を見せつつも、偉大すぎる故人に思いをはせていた。
存命であれば本年は、清志郎さんが還暦を迎える年に当たる。清志郎をどっぷり聴いて育った往年のファンや、あまり知らない若い世代の音楽ファン。山崎はすべての人に向かって「清志郎さんという存在だったり音楽だったり、くさい言い方をすると清志郎イズムみたいなものを、いろいろな形で受け継いでもらいたいし、映画を観て感じてもらいたいなぁと思いますね」としみじみメッセージを送った。そして最後に「清志郎という人物を一言で表すと?」と聞かれた山崎は、長い沈黙の後、こう口にした。「すげぇ人です」
映画『忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー ~感度サイコー!!!~』は清志郎さんを中心に集まったアーティストたちにより開催された伝説のライブ映像と、彼を慕う面々が撮影した映像とで構成されるライブ・ドキュメンタリー。大阪城ホールを舞台に、忌野と共にRCサクセションで活動した仲井戸麗市のほか、斉藤和義や矢野顕子、竹中直人、間寛平など、ジャンルを超えたメンバーがライブ・エンターテインメントを繰り広げる。(肥沼和之)
『忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー ~感度サイコー!!!~』は11月26日より梅田ブルク7、新宿バルト9ほか全国公開
山崎まさよし全国ツアー「YAMAZAKI MASAYOSHI STANDING TOUR 2011」開催中
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