スピルバーグは子役発掘の天才!?『リアル・スティール』ダコタ・ゴヨの輝き!
ヒュー・ジャックマンが主演を務めている映画『リアル・スティール』でヒューの息子を演じている天才子役ダコタ・ゴヨが話題になっている。いったんは別の子役で決まりかけたものの、製作総指揮を務めたスティーヴン・スピルバーグの一言がきっかけになって見いだされたというエピソードもあるなど、本作のショーン・レヴィ監督も絶賛する新たな才能だ。
1999年生まれのダコタは、今年12歳の子役。今年日本でも公開された映画『マイティ・ソー』でクリス・ヘムズワース演じる主人公ソーの子ども時代を演じたことでも知られる俳優だ。本作でも、母親を亡くしたばかりの少年マックスを好演。子どもらしさと妙に冷めた態度を混在させつつも、切々と役になりきっている姿は忘れ難い印象を残している。
本作を観た後では、ダコタ以外にマックス役を務めることはできないと思ってしまうほどだが、製作当初は別の子役がリストアップされており、ほぼその子に決まりかけていたのだという。ショーン・レヴィ監督は「僕らは100人ぐらいの男の子をオーディションしたんだ。僕らは自分たちがこの子だと思う子を見つけた。彼はヒューとも台詞を読んで、素晴らしかった。誰もがこの子のことを気に入っていた。素晴らしい役者だったよ」とそのときのことを振り返った。だが、製作総指揮を務めたスピルバーグはその子役について「素晴らしいけど、まだ他の子がどこかにいると思う。もっと探し続ければ、マジックを持った子を見つけられると思う。才能を超えたマジカルな要素を持ったね」と評し、この言葉がきっかけになって、レヴィ監督はキャスティングを再開。そして、ダコタを見つけたのだという。
スピルバーグといえば、監督を務めた『E.T.』でエリオット少年ことヘンリー・トーマスを、『A.I.』ではハーレイ・ジョエル・オスメントを主演に迎えるなど、子役のキャスティングには定評がある。ダコタは正確にはそのお眼鏡にかなったとは言い難いかもしれないが、スピルバーグの眼力がなければ別のキャストに決まっていた可能性は高いだけに、スピルバーグの秘蔵っ子といっても過言ではないかもしれない。
「ダコタにはマジカルなクオリティーがあったね」とその才能を絶賛したレヴィ監督は劇中のワンシーンを例に取り、「詩的で鳥肌が立つ感じがあるんだ。そういったことは演出できない。それは才能とは別のものなんだ。何か生まれつきのもので、ダコタにはそれがあるんだよ」とダコタの出演によって、本作がより優れた作品として世に問われることになったことをうかがわせている。(編集部・福田麗)
映画『リアル・スティール』は12月9日より全国公開