Cocco、独特の存在感で主演映画の舞台あいさつ!女優としても天才と塚本晋也監督が絶賛!
26日、現在開催されている「第12回東京フィルメックス」にて、シンガーソングライターCocco主演の映画『KOTOKO』のジャパンプレミアが開催され、原案・音楽・美術、そして主演を果たしたCoccoと塚本晋也監督が登壇。塚本監督をして「天才」と言わしめたCoccoが、ベネチアやトロントなどの国際映画祭で絶賛された本作に挑んだ思いを語った。
壇上にCoccoと塚本監督が登場すると、場内からは割れんばかりの拍手が巻き起こる。まさに凱旋上映というのが相応しい状況に、照れくさそうな、そして困惑したような表情を見せるCocco。ミュージシャンとしてキャリアを積んできた彼女が映画に主演することには「ライブは生で、映画は収録という違いがある。ライブは100%のうち99%は歌うことに集中して1%がコミュニケーションという配分でいいけど、映画は99%が円滑に行くようにコミュニケーションに気を使い、お芝居は1%ぐらいしか気を使えなかった」と心情を吐露。
そんなCoccoだったが塚本監督いわく、表現者として「天才だ」と断言する。「昔から、もともと天才だろうなって思ってたんですが、前に映像クリエイターたちがCoccoさんを撮った『Inspired movies』という映像作品をみて、やっぱりすごいと思った」と絶賛。さらに「(同じカットを)何度か撮り直してしまったら、そこにはリアルなCoccoさんはもう存在しないんだろうなと思っていたのですが、2~3回撮りなおしても、きちんと同じ表現をしてくれた」と女優としてのポテンシャルの高さにも舌を巻いた模様。
壇上では終始、強烈な存在感をはなっていたCocco。「ライブも映画も、見届けてもらってはじめて作品が成立すると思っています。だから、今日、こうして観てもらえるのはうれしい」とはにかんだ笑顔で語ると、塚本監督も「今日が、日本での第1回目の上映です。Coccoさんと映画を作るのが長年の夢でした。クランクイン直後に震災があって、製作が危ぶまれたけど、Coccoさんやその仲間たちのおかげで完成した作品。ベネチア国際映画祭で大きな賞をいただいたけれど、あれはCoccoさんの主演女優賞だと思っています」と最後までCoccoへの思いを口にしていた。
本作は、映画『鉄男 TETSUO』『六月の蛇』の塚本晋也監督、沖縄出身のシンガーソングライターCocco主演で贈る、懸命に生きようともがく一人の女性を描いた人間物語。第68回ベネチア国際映画祭オリゾンティ賞を受賞したことでも話題になっている。(磯部正和)
映画『KOTOKO』は2012年春公開