中谷美紀、監督に襲われる!?東山紀之とのラブシーン撮影秘話を明かす
映画『源氏物語 千年の謎』で、紫式部を演じた中谷美紀が、メガホンを取った鶴橋康夫監督の仰天の演出方法を明かした。光源氏の華麗なる愛の世界と、「源氏物語」の作者である紫式部の秘めた恋、二つの世界を交錯させ、「源氏物語」誕生の謎に迫った本作は、ショッキングな場面で幕を開ける。
夜の庭園を一人で散歩していた紫式部が、時の権力者である藤原道長に襲われる。藤原道長を演じたのは、東山紀之。だが、彼よりもいち早く、中谷美紀に襲いかかった人物がいた。それこそが鶴橋監督である。当時のことを中谷にはこう振り返る。「もともと情熱的な監督ですが、とりわけ、ラブシーンの時は張り切って、現場にいらっしゃるんです。 “平安時代の男女なら、こういう順番でなければ”といろいろ教えてくださって、自らが動いて示してくださり、道長に襲われるシーンはまず、監督に襲われました(苦笑)」。中谷とは、ドラマ「永遠の仔」以来、10年ぶりの仕事である鶴橋監督。その間、何度も出演オファーをしていたものの、中谷のスケジュールが合わず、実現しなかったという。監督にしてみれば、そんな10年分の思いが募り募っての演出だったのだろうか?
ちなみに中谷によれば、「東山さん以外とは生田斗真さんと最後のシーンでご一緒したぐらいで、真木よう子さんとも1シーンだけ。それも背中合わせだったので、共演したうちに入らないかも知れません。後はほとんど、誰ともお会いできませんでした」とのこと。なので、光源氏が愛の手ほどきを受ける年上の愛人、六条御息所役の田中麗奈、正室として真っ直ぐに愛される葵の上役の多部未華子、ひと時の逢瀬を楽しむはかない愛人、夕顔役の芦名星、そして道ならぬ恋に苦しむ義母、藤壺役の真木よう子らが、監督からどのような演技指導を受けたのかは、中谷にはわからないという。ただし、「71歳になっても色気を感じる、セクシーな監督」と中谷が評する鶴橋監督だけに、それぞれのラブシーンでも熱い演出があったのでは? と想像せずにはいられない。
「鶴橋監督はおそらく女性が大好きなんだと思います(笑)。きっと監督ご自身、道長や、光源氏に肩入れしながら撮っていたのではないでしょうか。愛にあふれる監督に、この作品を撮っていただいて、本当によかったなと思っています」と中谷。美しい女性たちが次々と愛に狂っていく、源氏物語の世界。その世界の裏には必ず、色男がいる。それは物語の主人公である見目麗しき光源氏であり、そのモデルとなった雄々しい藤原道長であり、そしてもう一人、この映画を作り上げた熱意あふれる鶴橋監督の存在も忘れてはならない。(取材・文:高山亜紀)
映画『源氏物語 千年の謎』は12月10日より全国公開