愛犬?相棒?映画『タンタンの冒険』もふもふのスノーウィの魅力とは?
スティーヴン・スピルバーグ監督最新作、主人公の少年記者タンタンの冒険を描くアドベンチャームービー『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』で、タンタンと共に世界を渡り歩くフォックステリアのスノーウィに注目だ。スノーウィといえば、まるでぬいぐるみに命を吹き込んだような、モフモフっとした真っ白な毛並みがなんとも愛くるしいタンタンの愛犬だが、ご主人の窮地を救ったり、冒険の突破口を開いてみたり、時には彼の心の支えになるなど、彼らの関係は主従関係というよりも、忠実なパートナー。そんな『タンタンの冒険』に、なくてはならない存在であるスノーウィの魅力に迫る。
同作は、ベルギーのアーティスト・エルジェによって生み出されたキャラクター。今回の映画版においては、昨今の技術の進歩により、登場人物のほとんどがパフォーマンンス・キャプチャーで実現された中、犬のスノーウィだけは100パーセントデジタルで描かれたという。また、原作では言葉を話す犬として登場するが、映画版では原作者サイドの要望により人格を持たないキャラクターとして描かれている。
例えば、悪者に誘拐されたタンタンを救うシーンでは、2階から道路にジャンプ、はしごを渡り、車を飛び越えタンタンの後を追うなどスパイアクションものの主人公に匹敵する俊敏さを見せるスノーウィ。当然、タンタンと一緒に走る場合には彼を追い越してしまうのだが、自分が彼の3歩先を行ってしまったときは後ろを振り返り、タンタンの様子をチェック。犬を飼っている人なら思わず「あるある!」と思わせられる愛犬らしさを見せている。
それでいて、冒険に必要なヒントを動作で示してみたり、タンタンの行動を先読みして虫眼鏡を差し出したりと相棒らしさも発揮。時には観る者をハラハラさせるなど、スノーウィだけを見ていても飽きないようになっている。中には、ストーリーの本筋とは全く関係なく、後方で無邪気に空き缶と戯れるスノーウィの姿(一瞬だが……)や、ネズミとのコミカルなサンドイッチの奪い合い、手に汗握る迫力のシーンに仕上がったハヤブサとの追いつ追われつのアクションなど、犬の習性を生かした、犬好きには見逃したくない貴重なシーンも。
フサフサと風になびく毛や、あおむけになっておなかを見せて眠るスノーウィの姿など、どれも愛らしさいっぱいで、製作陣に犬好きがいたのでは!? と思わずにはいられない大満足の仕上がりになっている。
『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』は、17世紀に姿を消した帆船ユニコーン号の模型を手にした少年タンタンが、愛犬スノーウィと共に、帆船模型にまつわる謎を解く冒険を描くフルデジタル3Dムービー。(文:南 樹里)
映画『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』は12月1日より全国公開