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『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』のリン・コリンズが、極寒の地での撮影を語る!スタッフが寒さで倒れる!

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(左から)リン・コリンズ、ギャビー・デラル監督
(左から)リン・コリンズ、ギャビー・デラル監督

 映画『ヴェニスの商人』や『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』で注目された女優リン・コリンズが、新作『エンジェルズ・クレスト(原題) / Angels Crest』について、女流監督のギャビー・デラルとともに語った。

 同作は、シンディ(リン・コリンズ)と離婚したイーサン(トーマス・デッカー)は、3歳の息子ネイトとともに暮らしていた。ある寒い冬の朝、イーサンはネイトを車に乗せて森林へ向かった際に、鹿を見かけたため車を止めて、後部席で寝ていたネイトをおいて森林の中へ足を踏み入れた。だが、そのわずか数分間にネイトが車を降りて行方をくらませてしまったのだ……。町の人々の必死の捜索もむなしく、ネイトは死体となって発見される。そして、徐々に町の人々のイーサンへの対応が変わっていく。人の死によって変化していく人間模様を描いた作品で、作家レスリー・シュウォーツの原作「天使の住む山」を映画化している。

 カナダのカルガリーで撮影された本作は、マイナス15度以下の中でずっと撮影していたそうだ。「わたしにとっては、この気温が逆に演技に集中させてくれたわ。より良い演技が出来ると思ったくらい。ただ、ネイトの葬式に参列している撮影のシーンは、あまりに寒くてスタッフたちが耐えきれずに、雪の上に屈んだ状態になってしまって、撮影を中断したこともあったわね!」とリン・コリンズが語ると、さらに「夜間の撮影時には、カメラマンの助手が懐中電灯を口にはさみ、懐中電灯を向けてカメラのフォーカスを手で合わせようとしたら、懐中電灯が口にはさまったまま凍ってしまって、しばらく抜けなくなってしまったこともあったわ」とギャビー・デラル監督が笑いながら語ったが、映画内では美しく厳しい銀世界が映し出されている。

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 ギャビー・デラル監督は、女優業から監督に転身している。「残念なことに、わたしはリン・コリンズほど演技が上手くなかったの(笑)。ただ、3人目の子どもを産んでからしばらくして離婚した際に、これまでの生活だけでは駄目だと思い、女優を続けたまま、短編用の脚本も書き始めたの。それがいつの間にかカメラの後ろで(監督として)指示するようになっていったわ。だから、女優をやめて意図的に監督になったわけではなく、スムーズに監督になったの」と述べた彼女の元夫は、映画『グリーン・ゾーン』や『消されたヘッドライン』をプロデュースしたエリック・フェルナーで、彼の助力もあったそうだ。

 トーマス・デッカーのキャスティングについて「オーディションの過程を通して、その中で一番優秀だった彼を選択したの。彼は才能があり、賢いけれど、少年のような顔をしているところが魅力だったわ。さらに、年齢よりも洗練されていて、教養があるようにも見えるの。そこが、離婚した妻シンディ(年上だがあまり賢くない)の設定と対比していて面白いの」とデラル監督は語った。映画は、トーマス・デッカーの演技に比重を置いているため、彼のファンには必見の作品に仕上がっている。

 映画は、子どもの死により変化していく人々の対応と絆が繊細に描かれている。リン・コリンズの次回作は、チャニング・テイタムと共演した映画『テン・イヤー(原題) / Ten Year』が控えている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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