インドの織田裕二がドバイ国際映画祭に登場!老若男女が殺到する大人気!
“インドの織田裕二“ことボリウッドスターのシャー・ルク・カーンが8日、アラブ首長国連邦で開催中の第8回ドバイ国際映画祭でトークイベントを開催した。会場にはドバイの人口の6割強と言われるインド系のファンら約1,000人が駆け付けて、「アイ・ラブ・ユー!」の絶叫が飛び交う大フィーバーとなった。
シャー・ルクと言えば日本でもデビュー作『ラジュー出世する』(1992製作)が公開されてインド映画ブームを巻き起こした立役者だが、最近はなかなか日本に新作が上陸せず、情報が届かなくなってしまった。しかし“キング・オブ・ボリウッド”の愛称を持つ彼の人気は、家庭を持つ46歳の中年の域に達した今も不動だ。今回のイベントは、新作『Don2:The Chase Continues(原題)/ ドン2:ザ・チェイス・コンティニューズ』(ドバイ公開は12月22日)のプロモーションで行われたものだが、会場からの質疑応答時間が設けられているとあって老若男女が殺到。そんなファンの「早く会いたい」という気持ちをあおるかのようにシャー・ルクは30分遅れで堂々と登場し、キングの貫禄を見せつけた。
映画は『DON(ドン) -過去を消された男-』(2006製作)の続編で、シャー・ルクがインドの地下組織のボスを演じるサスペンス・アクション。織田裕二ばりのさわやかな笑顔とジーンズ・ファッションが印象的なシャー・ルクが、珍しく悪役を演じていることでも話題だ。そのために会場のチビッ子から「普段も悪い人なんですか?」という素朴な質問が投げかけらた。シャー・ルクは「僕はかなり腹の底の方に、悪い魂を持っていると思うよ~。なぜなら僕はずっと前に悪魔に魂を売ったからね(笑)」とユーモアを交えて語り、自分のキャリアの中でもドンというキャラクターをかなり気に入っていることをアピールした。
また劇中ではクールにタバコを吹かすシーンがたびたび登場することから、青年から「子どもたちへの影響を考えたりしないのですか?」という指摘もあった。これに対してもシャー・ルクは「君がもし僕みたいにタバコをかっこ良く吸いたいと思うのなら、タバコの煙で輪っかを吹かせばいいよ」と答えて会場を和ませつつ、「別に劇中の話やキャラクターについて自己弁護するつもりはないけど、僕自身はドンのような奴を見たことはないからね」と語り、あくまで映画は虚構の世界であることを説明した。
また本作は世界の映画界の流れに呼応するかのように、3Dで制作されている。司会者から今後の3Dの可能性について尋ねられたシャー・ルクは「今やマーティン・スコセッシ監督も(『ヒューゴの不思議な発明』で)3Dを手がける時代だし、2~3年後はこれが当たり前となると思う。まだまだ今は、3D映画の始まりに過ぎない」と映画の未来について真剣な面持ちで語っていた。(取材・文:ドバイ・中山治美)